芸能人のプライベートに付きまとい、一挙一動を監視する「サセン」。ファンからの愛を受けて生きるのが芸能人だが、度を越えたファンに悩まされる者も少なくないのが現状だ。
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芸能人にとって自らを応援してくれるファンは大切な存在だが、私生活まで追いかけ回す一部の熱狂的なファンのストーカー行為は、悩みの種以外のなにものでもない。
韓国ではそのようなストーカー行為を繰り返す過激なファンを「私生活(サセンファル)に追い回すファン」という意味で、“サセンファン”と呼ぶ。
去る12月14日、BTSのVがV LIVEの生配信を通じて一部の過激なファンによる苦痛を訴えた。
Vはファンに近況を伝える中で、「僕が代表して話そうと思う。僕たちはチャーター機に乗っている。本当は一般の飛行機に乗りたいが、長距離移動を知って僕たちの前や隣に座ってくる方々がいらっしゃる。プライベートな空間で安心して休めないから、大変不便だった」と告白。
「正直に言うと、そんなことまでしないでほしい。そこまでやるのかと、怖くなる。本当に怖い」と続け、口惜しさをあらわにした。
“サセンファン”によって発生する問題は、これに尽きない。
EXOのチャンヨルは去る4月、自宅への乱入を試みて暴れた中国人のファン2人を警察に通報した。所属事務所は「度を越えたプライバシーの侵害によって、アーティストたちの苦痛と被害が深刻だ。自制をお願いしたい」と呼びかけた。
同じくEXOのメンバー、カイは自身のSNSを通じて生配信を行い「今、家の前にサセンファンの方がいるようだ。警察を呼ぶ。早く去れ」と警告したこともある。
熱狂的なファンによって、アーティストの身の安全が脅かされる事例も少なくない。
TWICEのジヒョは、空港で写真撮影のために過度に付きまとうファンと衝突して負傷した。現場ではジヒョが涙する姿も見られたという。また、GOT7のジャクソンが空港へ向かう途中、サセンファンの追跡車両が交通事故を起こすこともあった。
芸能人の連絡先や住民登録番号といった個人情報を売買するに飽き足らず、同じ飛行機の隣席やホテルの隣室まで調べ上げるサセンファンたち。一人ひとりのプライバシーを侵害し、ひいてはスターの安全まで脅かす行為がエスカレートしているのが現状だ。
大多数のファンは「サセンのストーキング行為は犯罪」「サセンはファンではない」と批判の声を上げているが、こういった事案は一向になくならない。利己的な欲求を満たすよりも、プライバシーを守って合法的な方法で応援するのが“真のファン”ではないだろうか。
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