「流行語大賞」や「今年の漢字」、さらには「Yahoo!検索大賞」など、1年の世相や流行を振り返る行事が多いこの頃だ。
Googleも12月11日、2019年の検索ワードランキングを発表した。
日本国内で最も検索数が急上昇したキーワードは「台風19号」で、話題の人(総合)1位は「沢尻エリカ」、話題の映画1位は「ジョーカー」など、今年の世相を映したものになったが、韓国のランキングでも2019年を振り返ることができるさまざまなキーワードが見受けられる。
韓国の急上昇ワード総合部門1位になったのは、映画『アベンジャーズ』シリーズに登場する最凶の敵「サノス」だった。
シリーズの完結編となる映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は今年4月に公開され、全世界興行収入で歴代1位の記録を更新している。
韓国でも空前の大ヒットとなり、『アバター』を抜いて歴代洋画興行ランキング1位の記録を塗り替えた。
Googleは映画の公開に際して「サノス」の検索ページに面白い仕掛けを施し熱い反響を得たのだが、韓国もその影響を受けて検索数が急上昇したようだ。
総合部門2位には、世間を大きく騒がせた歌手兼タレントの「チョン・ジュニョン」がランクイン。
彼は多数の芸能人が参加するグループチャットで性的暴行を隠し撮りした動画をシェアし、グループチャットのメンバーらと集団レイプを行った容疑で起訴され、1審で懲役6年の判決を言い渡された。
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しかし、1審判決を不服として控訴しているため、今後の行方に注目が集まっている。
また、10月に急逝した元K-POPアイドルの「故ソルリ」が3位、最高視聴率23.2%というケーブル番組史上最高記録を打ち立て、韓国で社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ「SKYキャッスル」が4位になった。
面白いところでは「話題の人」部門だ。
1位はチョン・ジュニョン、2位は故ソルリと総合ランキングと被ったのだが、部門名が韓国に限って「人物およびペンギン」になっている。
これは、ここ6カ月で大ブレイクした公営放送局EBSのゆるキャラクター「ペンス」への気遣いなのだろう。
現在、韓国におけるペンスの人気ぶりは、日本で旋風を巻き起こした“くまモンブーム”にも似ている。
スターになるべく南極から泳いで韓国にやって来た、性別不明の10歳というキャラ設定も笑いを誘うが、テレビ番組やYouTube動画で見せるストレートな言動が20~30代から大反響を集めて“スター扱い”に。「話題の人」部門では10位にランクインした。
ちなみに日本に関連するキーワードもある。
総合部門10位のアニメ『ワンパンマン2期』と、映画部門9位の『天気の子』がそれだ。今年は韓国で大々的な“日本不買運動”が巻き起こったが、そんな中でも日本のコンテンツが多く検索されていたのだ。
いずれにしても、韓国でも様々なホットキーワードがあった2019年。ランキングに入ったその言葉や人物を見ると、世相や流行が反映されていて面白い。
(文=慎 武宏)
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