韓流スターのパク・シフとミュージックビデオ制作会社K社の間での損害賠償請求訴訟が、長い法的争いの末に終止符を打った。
2011年に韓国で大ヒットを記録した韓流時代劇『王女の男』で主演を務めたパク・シフはKBS演技大賞を受賞し、翌年のドラマ『清潭洞アリス』も大ヒットを記録して、名実ともにトップスターの一員となった。
しかし、そのパク・シフに対し、大法院(最高裁判所)は彼の上告を最終的に棄却したのだ。これでパク・シフは数億ウォン(数千万円)の賠償額支払いの責任を負うことになった。
なぜ、このような事態になったのか。その経緯を振り返ってみよう。
2012年9月にK社は、パク・シフ側とミュージックドラマ及び写真集制作のための契約を締結した。
以後、タイでパク・シフと撮影を始めたが、途中で一旦中断され、韓国で仕上げることにした。しかし、パク・シフは同年10月に予定されていた撮影を拒否し、翌年2月、強姦事件の被疑者として調査を受けることになり、撮影が不可能になった。
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これにK社は制作の取りやめの責任がパク・シフにあるとし、パク・シフと彼の元所属事務所を相手に前渡しした2億70万ウォン(約2000万円)及び遅延損害金の賠償を求めて訴訟を起こした。
一審ではパク・シフ側に有利だったが、K社の控訴で行われた二審で裁判所は原告勝訴の判決を下した。
二審で裁判所はパク・シフ側に「K社と締結したミュージックドラマ及び写真集制作契約に関する債務を履行しなかったことで発生した損害金2億70万ウォンを賠償せよ」と判示した。
以後、2015年1月に前所属会社が廃業したことによって、パク・シフが損害賠償責任を負うことになったが、パク・シフ側は「ギャラはまったく支給されていない状態でプロジェクトが着手されたので、損害賠償義務が発生するといっても相殺されなければならない」「プロジェクトが中止されたのは制作会社の過失によるものだ」と主張し、二審判決を不服として2015年12月上告状を提出した。
長い法廷争いの末に、10月31日に大法院はパク・シフの上告を最終棄却した。
大法院は、ミュージックドラマの制作を進めていたところ、パク・シフが強姦被疑事件で取り調べを受けて作品の制作が中断・消滅したため、社会通念上、パク・シフの帰責事由によって履行不能になったと見るのが妥当だと判断した。
これでパク・シフはK社側に2億70万ウォンと遅延損害金を合わせて約3億7000ウォン(約3700万円)を支払わなければならない。
なお、パク・シフの現所属事務所は「残念な部分はあるが、最終判決が出た分、賠償金の支払いを履行する計画だ」と答えている。
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