“投票操作疑惑”の韓国オーディション番組、制作陣が拘束された現在の争点は?

2019年11月06日 話題
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韓国のアイドルオーディション番組『PRODUCE X 101』(以下、『プデュX』)制作陣であるキム・ヨンボム(45)CPとアン・ジュニョン(40)PDが、11月5日夜に拘束された。

これによって同番組に浮上している視聴者投票結果の“不正操作疑惑”に対する警察の捜査が、最終段階に向かっている。

【注目】“投票操作”が事実ならば、番組生まれのグループは今後どうなる? 

来る11月11日に予定された警察のブリーフィングで、『プデュX』の視聴者投票結果に不正操作があったのかどうか、投票の元データの分析結果がどうだったのか、投票操作が事実であればその背景や動機が何であるかなどが、明らかになると思われる。

先立って警察と検察は、詐欺と偽計による業務妨害、背任罪などの容疑で『プデュX』制作陣の拘束令状を申請・請求しており、11月5日夜、キムCPとアンPDが拘束された。

裁判所は「犯罪の疑いが相当部分釈明され、事案が重大である」とし、「被疑者の役割および現在までの捜査経過などから拘束の理由と必要性、相当性が認められる」と説明した。

ともに拘束令状が申請された別の制作関係者と芸能事務所関係者の2人に対しては、拘束令状を棄却した。

警察によるとキムCPとアンPDは、『プデュX』の投票操作に関与した疑いを受けている。

警察は去る7月、一部のファンによって提起された『プデュX』投票操作疑惑の捜査に着手した。当時ファンらは『プデュX』の視聴者投票で1~20位の練習生たちが選ばれたが、最終的な得票数に一定のパターンが繰り返されていると主張した。

警察は、『プデュX』の制作会社であるCJ ENMのオフィスや文字投票データ保管業者などに対して、家宅捜索を行った。疑惑が浮上した投票の元データ(raw data)を確保したと伝えられる。

さらに警察はCJENMに対する追加の家宅捜索、該当番組を通じてデビューしたグループ「X1」メンバーが所属する芸能事務所への家宅捜索も最近行った。

実際に『プデュX』の投票が不正に操作されたかどうかは、警察が確保したという投票の元データの分析を通じて明らかにされる見通しだ。11月11日に予定されブリーフィングで、警察はこの部分についてどう発表するかが注目される理由だ。

投票操作が行われたとしたら、その背景や動機がどこにあったのかという点も重要な争点だろう。

一部では、制作陣と芸能事務所に癒着があったのではないかという疑惑の声が上がっている。SBSの『8ニュース』は11月5日、「アンPDが芸能事務所関係者に江南(カンナム)の風俗店で数百万ウォン(数十万円)の接待を受けた状況を確認した」と報じており、接待疑惑を公論化した。

ただ投票操作が事実であった場合、制作陣の一部による逸脱や、制作陣と一部の芸能事務所の癒着についてだけ論じるのは、問題を矮小化することになるという指摘もある。

去る10月、MBCの『PD手帳』は「CJと偽オーディション編」として、『PRODUCE』シリーズだけでなく、『アイドル学校』など他のオーディション番組でも投票結果が操作された可能性があるという疑惑を提起している。

(写真提供=SWINGエンターテインメント)『PRODUCE X 101』から誕生したボーイズグループ「X1」

CJENMは『PRODUCDE』シリーズや『アイドル学校』だけでなく、『スーパースターK』シリーズなどを通じて新たなスターを発掘すると同時に、ストーンミュージックやMMOなどのマネージメント会社を傘下ラベルとして有している。

さらにBTS(防弾少年団)の所属事務所Big Hitエンターテインメントとの合弁法人であるラベル「Belief」を立ち上げるなど、音楽業界全体に企業系列を構築している。

アルバムの企画から番組制作、公演などの事業で事実上、独占的な地位に立っているのが現状だ。今回の投票操作疑惑は、そのような観点から語られるべきとの意見も出ている。

CJENM側は11月5日、「『プデュX』と関連して物議を醸したことについて、深く謝罪する」とし、「積極的に捜査に協力し、捜査結果によって責任を取る部分に対しては必ず責任を取る」という立場を明らかにした。

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