10月28日に韓国で放送された『SBSスペシャル アイドルが生きる世界-ステージが終わって』(SBS)では、夢を追って同年代とは違う人生を選んだアイドルたちの葛藤や、アイドル活動を終えた後に経験する現実的な悩みが明かされた。
いつからか韓国では、子供たちの「将来の夢ランキング」で、常に“アイドル”が上位にランクインしている。アイドルとして成功することは決して容易ではないが、名を馳せればファンたちからの溢れる愛情はもちろん、膨大な富と名声までついてくる。多くの子供たちがアイドルを夢見るのはある意味、当然かもしれない。
しかし、競争の激しいアイドル界では“デビュー”という難関を通過することすら容易ではないのが現実。
とてつもない苦労の末にデビューしても、当然のごとく高いレベルが求められる韓国のアイドル業界は、実力はもちろん所属事務所の企画力と資本、さらに運もついてきてようやく有名になれるかどうかが決まる。スターになるのは、まさに夢のまた夢だ。
そんな理由から、アイドルを夢見る練習生たちは、険しい“確率ゲーム”の中で生き残るために多くを犠牲にするしかない。多数のアイドル志望者が学業を放棄し、その時間をダンスや歌の練習にあてているのだ。
しかし、彼らが放棄したのはただの“勉強”ではない。同年代の若者が日常生活のなかで覚えていくすべてを放棄しているも同然だ。
ステージの上でスポットライトを浴びる主人公になれるまで、ステージの裏で見えない争いを繰り広げるアイドルたち。彼らが得たものと失ったものはなにか。また、普通の暮らしを放棄したことに対する後悔はあるのだろうか。
「インターネット通販で買い物をして代金を振込むとき、どうすればいいのかが大きな宿題だった。簡単なシステムだけど、僕はやったことがなかった。なぜかというと、僕は17歳から練習生として生活して19歳でデビューしたからだ」――元MBLAQチョンドゥン
何事にも終わりがあるように、華やかなステージの上で多くのファンたちから愛されたアイドルにも終わりがある。各グループの成果や人気によっても変わってくるが、アイドルという特性上30代を過ぎても活動を続けているグループは珍しいのが現実だ。
韓国のアイドルの平均寿命は5年、ステージを降りて残りの人生を新たにスタートする彼らにはどんな悩みがあるだろうか。
最近、自主レーベルを設立しソロ活動を始めたMBLAQの元メンバー・チョンドゥンは、アルバム制作はもちろん、スケジュール管理を含めたすべてのマネジメントを自力で行っている。
アイドル活動の直後に日常のなかの小さな問題と向き合い、これ以上独り立ちを先送りにしてはいけないと感じたという。