韓国のケーブルチャンネルJTBCのフュージョン時代劇、『朝鮮婚談工作所コッパダン』(原題、以下『コッパダン』)が話題だ。3人の美男子が営む朝鮮最高の結婚仲介所“コッパダン”と、身分の異なる2人の男女が繰り広げる稀代の結婚詐欺劇は、9月16日に放送がスタートしたばかりにも関わらず早くも絶大な反響を得ている。
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“婚活時代劇”という斬新なテーマはもちろんだが、『コッパダン』が人気を得る理由は魅力的なキャラクター陣にある。
敏腕縁談コンサルタントのマ・フン(キム・ミンジェ)、“朝鮮最高のスタイリスト”と称されるコ・ヨンス(パク・ジフン)、町一番の情報屋ト・ジュン(ピョン・ウソク)。3人の美男子が見事なチームワークで悩める男女を良縁に導く姿は、視聴者になんとも言えないときめきと爽快感を与えた。
そんな『コッパダン』を機に、ネット民の間で「ドラマ界に彗星のように現れた大物」と大きな反響を得た人物がいる。コ・ヨンスを演じるパク・ジフンだ。
並みならぬ美的感覚で何人もの女性を美しい花嫁へと変身させてきたコ・ヨンスは、愛くるしいビジュアルと男性らしからぬ華美な色柄の韓服がトレードマークの好青年。パク・ジフンは表情豊かな演技でコ・ヨンスのカリスマ性を見事に表現し、視聴者の心を掴んだ。
そもそもパク・ジフンは、昨年惜しまれつつ解散を迎えた人気グループ、Wanna Oneとして活躍した元アイドルだ。『コッパダン』はグループの看板を下ろして以降初めての演技活動であるだけに、以前からファンによる期待と感心が大きかった。
しかし、いざ放送がスタートして演技力が評価され始めると、“元アイドル”という肩書きが霞んでしまうほど意外な彼の経歴が浮き彫りになってきた。
実はこのパク・ジフン、元々は有名作品に多数出演していた“演技派子役”だったのだ。
1999年生まれのパク・ジフンは、幼い頃から教科書のモデルや子役として活動。ミュージカルやテレビCMなどにも出演して人気を集めており、バラエティ番組『アイドルワールド』(Mnet)を通じてデビュー間もないBIGBANGと共演したことも。G-DRAGONとの“涙の演技対決”で圧勝したというからさらに驚きだろう。
そんなパク・ジフンの幼少期は言うまでもなく、華やかな経歴ばかりだ。
2006年に放送された『朱蒙』(MBC)を皮切りに、『王と私』(2007年、SBS)、『イルジメ~一枝梅』(2008年、SBS)と、有名時代劇に立て続けに出演している。
なかでも、パク・ジフンが一目置かれるきっかけとなったのは、『王と私』で見せた大人顔負けのシリアスな演技だろう。
劇中で、宮中に仕える内侍(ネシ、宦官)の運命を背負った少年を演じたパク・ジフン。
内侍といえば去勢を施されることが大前提で、当時7~8歳のパク・ジフンが壮絶な儀式を迎える少年の姿を生々しく表現したことは、多くの視聴者に衝撃を与えた。
名実ともに演技派子役として活躍したパク・ジフンがいつの間にかアイドルとして芸能界を賑わせ、ましてや時代劇という自らの古巣で再び活躍の場を見出したのだから、ファンにとってはたまらないだろう。
『コッパダン』を通じて“演技派俳優”への成長を予告したパク・ジフン。今後の活躍には、ますます熱い関心が寄せられそうだ。
(文=姜 由奈)
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