色鮮やかな韓服を身にまとった彼らが「豊かな秋夕をお過ごしください」と挨拶する光景は、韓国ならではの秋の風物詩と言えるだろう。
普段は洗練されたファッションに身を包んだ彼ら彼女らが伝統の民族衣装に身を包む姿は、海外のファンには目新しいファンサービスに映っているかもしれない。
特にBTSのジョングクは、日頃から“生活韓服”を好んで着用することで有名だ。
生活韓服とは普段着として着られるよう現代風にアレンジされた韓服のこと。僧侶服のような彩度を落とした色や素朴な感じがあまり若者ウケしなかったが、最近は“ジョングク効果”か、韓国の若者たちの間では新たなファッションとして定着しつつあるという。
ところで、祝賀ムードを盛り上げるK-POPアイドルたちは、秋夕をどう過ごしているのか。
昔は「名節に暇な芸能人は消える」という噂があるくらい、休みを返上して番組収録やライブ公演、などのスケジュールをこなすことが普通だったという。
ただ、ここ数年は世間一般と同じく秋夕を満喫するアイドルが増えているようだ。
例えば新曲の発表を控えているTWICEのナヨンとダヒョンは、今年の秋夕に「家族と一緒にゆっくり休み、美味しいものも食べる予定」で、モモは「新しい料理に挑戦する」と、複数のメディアに明かしていた。
TWICEと同じく新しいアルバムを準備中のSUPER JUNIORや、Red Velvet、NCT DREAM、ITZYなど多くのK-POPグループが、「秋夕は家族と過ごす」と明かしているのだ。
社会的にもオフの重要性が提唱され、K-POPグループには海外出身メンバーも増えていることもあるのだろうが、「休むときは休む」「家族と過ごすひとときは大事にしたい」という変化は望ましいことのようにも思う。
普段はステージ・パフォーマンスなどでたくさんのファンを喜ばせている分、彼ら彼女たちも家族との幸せなひとときを過ごし、それでさらなる活躍のためのエネルギーを蓄えるのも悪くはない。
そう思う今年の秋夕休暇だった。
(文=慎 武宏)