イ・ジュンギを世に知らしめた作品は、2005年の映画『王の男』だ。1230万人の動員数を誇り、韓国歴代観客動員数でも上位に入る作品だ。
しかし、この大ヒットは「自分を天狗にしてしまった」とイ・ジュンギは後に語っている。
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「自分がかなり優秀だと考えていました。それが無視されるようになり、自分が間違っていたと感じ、緊張するようになったのです。その期間をどうにか乗り切ったおかげで、今では周囲も無視せずに見てくれるようになりました。
あのときの反省がなかったら、私の作品が好意的に受け取られなかったでしょう。“過ぎてみれば、ああいう時間も必要だった”といえるようにしたいのです」
実際、『王の男』の後に出演した2本の映画は興行的には成功しなかった。イ・ジュンギの周囲から人が離れ、彼自身もそれまでの慢心を悔いるようになった。
栄光と挫折を味わったイ・ジュンギが起死回生の作品として出演したのが、2008年放送の『一枝梅(イルジメ)』だ。
この作品は視聴率30%を越える大ヒットを飛ばし、主演のイ・ジュンギはSBS演技大賞の最優秀男優演技賞を受賞した。さらに彼は同年に出演した『ヒーロー』でもMBC演技大賞を受賞。第2の全盛期を迎えた。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのイ・ジュンギ。しかし、絶頂期を迎える彼が選んだのは、28歳での現役入隊だった。
2010年5月3日、多くのファンは一時の別れを惜しんだ。そして2012年2月16日、兵役を終えてイ・ジュンギは芸能界に戻ってきた。
以後、イ・ジュンギは毎年1作ずつ連続ドラマに出ている。
・2012年『アラン使道伝』
・2013年『TWO WEEKS』
・2014年『朝鮮ガンマン』
・2015年『夜を歩く士(ソンビ)』
・2016年『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』
・2017年『クリミナル・マインド』
・2018年『無法弁護士』
すばらしいラインナップだ。イ・ジュンギほど継続して連続ドラマに出続けている俳優は他にいない。
なぜ、そこまでできるのか。
底知れぬパワーと並はずれた情熱があるからだ。特に『無法弁護士』は、イ・ジュンギの魅力がすべて披露された傑作だ。
それをゆっくり堪能できるのは、この上もない快楽である。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
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