増え続けるK-POPスターの“個人事務所”。金銭的メリットの一方で「思わぬ落とし穴」も? 

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中でも大きな弱点は、リスクマネジメントの面でスムーズな対応ができないことだろう。

前述のSISTER出身ヒョリンは去る5月に“校内暴力議論”に巻き込まれ、Wanna One出身カン・ダニエルも今月初めにTWICEジヒョと交際している事実が報じられた。いずれもファンからは“遅すぎる対応”や“残念な対処方法”が指摘され、イメージの悪化を避けられなかった。

ある歌謡関係者は、「韓国は芸能プロダクションのシステムが体系的に構築されている」とし、個人事務所の弱点についてこう分析した。

「テレビ出演のスケジュールを決める際には、マネージャーだけでなく“マスコミ広報チーム”なるものが存在する。“A&Rチーム”という音楽的方向性を共に考える専門的なチームもある。芸能プロダクションの多くは徹底した分業を通じて、一連の計画と戦略を練っているのだ。

それが個人事務所となると、システムが作られていないため計画と戦略を綿密に立てることが困難だ。この違いはすぐには現れずとも、半年~1年後には既存事務所との間に明確な差が生じる」

ヒョリン

また、同関係者は「芸能プロダクションはある事案について、さまざまな専門家の意思決定を通じて最大限合理的な解決策を導き出そうと努力する。相対的に見て、個人事務所はアーティスト、あるいはごく少数の意見が色濃く反映されるほかない」と付け加え、「冷静な見方をしなければならない事案を、アーティストの立場に寄せた偏った方針で解決しようとする。それによって副作用を経験する事例も少なくない。事件、事故が起こったときに容易に解決ができない仕組みだ」と説明した。

所属事務所との対立が表面化して長期化される場合、テレビ出演やイメージの面で不利になるという点も個人事務所のデメリットだろう。アーティストが見過ごしてはならない、慎重な要素として挙げられる。

K-POP業界にとって2012年は“デビュー激戦区”とされた年で、EXOを筆頭にNU’EST、AOA、EXIDといったアイドルグループが続々と登場して話題を集めた。2019年はそんな彼らが基本契約期間満了の7年目を迎える年であるだけに、アーティストの個人事務所文化が進むことはいたって自然な現象なのかもしれない。

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