これほど訓練が厳しいとなると、「志願する人は少ないのではないか」と思うかもしれないが、それは逆である。志願者は多い。それは、海兵隊の隊員となってしっかりやり遂げれば、最高の称賛を得られるからだ。
ヒョンビンも、兵役に入るときに海兵隊を志願した。
もっと自分に楽な形で兵役を行なう方法もあったのだが、あえてヒョンビンは一番厳しいところに自分を追い込もうとした。
ただ、訓練中は困難を極めた。
厳しい訓練によってヒョンビンはひざを痛め、非常に苦しい状況を強いられた。それでも、ヒョンビンは耐え抜いて、立派に海兵隊としての兵役を終えた。芸能界に復帰した後は、たくましいイメージをプラスして、自分の演技の幅を広げた。
兵役に行く前と行った後では、ヒョンビンのスターとしてのイメージが大きく変わったのだ。そういう意味で、兵役を最良のキャリアにした俳優だ。
3人目は2PMのテギョン。彼は2017年9月4日に兵役に入った。
そもそも、テギョンはアメリカの永住権を持っていた。韓国の兵役は外国の永住権を持っていると免除になる。そういう制度を利用して、以前はアメリカの永住権を取って意図的に兵役を逃れようという人もいた。
それなのに、テギョンの場合はまったく逆で、永住権を放棄してまで韓国の兵役を全うしようとした。
さらに、テギョンは腰に持病があって、最初の徴兵検査で「現役兵ではなく社会服務要員」と判定された。しかし、彼は現役兵として兵役を遂行することにこだわり、2回にわたって腰の手術を受けて、再度の徴兵検査に臨んだ。そのうえで現役兵の判定を受けた。
そして、テギョンは兵役に入ると助教になった。新兵の教育に当たる教官の補助をする軍務だ。
テギョンは助教を立派にこなし、兵務庁から「模範兵士」として表彰された。2019年4月2日に感謝状を贈られて栄誉を讃えられたのだ。
その選定理由は以下のようなものだった。
「アメリカの永住権を放棄して、腰の椎間板ヘルニアで社会服務要員の判定を受けたにもかかわらず、手術と治療の末に自ら進んで入隊して他の兵士の模範となりました。部隊でも、常に率先した姿勢で軍生活を誠実に行なって、隊員の中でも良い評価を受けてきました」
ここまで称賛されたテギョンは、2019年5月16日に除隊した。彼もまたユンホやヒョンビンと同様に、復帰した芸能界で大活躍することだろう。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)