【サブカル日韓】大人気WEB漫画『外見至上主義』。韓国では意外にも 批判が多かった?

2019年08月03日 話題 #サブカル日韓 #漫画
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美少年の姿で母親と対面して初めて母に反抗していた自分に対する口惜しさを感じたり、他人を外見で判断していた女子生徒が醜い姿の主人公の内面に惹かれてゆくなど、2つの身体を手に入れた主人公が異なる視点のもとでさまざまな物事を経験することによって、人間的に成長してゆく場面がいくつもあるのだ。そういった普遍的でハートフルな要素が、韓国はもちろん日本でも多くの支持を集めたと言えるだろう。

さらに言えば、『外見至上主義』はファッション、音楽、ダンスといった現代の若者が親しみやすい学科の揃った芸術学校を舞台に選んだこともヒットに繋がったと言えるかもしれない。喧嘩の絶えない美少年たちが友情を育み、女子生徒も多いことからラブコメ的な展開も望めるという、女性読者も自然と惹かれるような作風を実現したのだ。

しかし、こうした斬新な切り口の数々が反響を得た一方で、韓国では依然として批判の尽きないのが『外見至上主義』でもある。

「外見の良いキャラクターで読者の興味や関心を引いている」「醜いほうはいつも報われない。結局は見た目か」というツッコミは尽きないし、女性読者の間では「男がいないと何もできないような女性キャラクターの描写が多すぎる」という指摘もある。男同士の友情や男性キャラクターの魅力を前面に押し出している作風から、女性キャラクターの活躍がおざなりになってしまうことは致し方ないとも言えるが、「女性の社会進出を推進する現代に相応しくない漫画」というコメントも度々寄せられてきた。

批判も多いだけに今後の展開がますます気になる『外見至上主義』だが、最近は連載当初に「報われない」とされていた“本来の姿”の醜い主人公の活躍にも次第にスポットライトが当たりつつある。

称賛、批判を問わず読者からの声がダイレクトに伝わるのがWEB漫画の特長でもあるが、「作者が読者の声に耳を傾けたのでは? 」と思えるような展開を発見することも、今後の楽しみ方の一つではないだろうか。

いずれにしろ、連載当初から現在まで冷めやらぬ人気を証明し続ける『外見至上主義』。まだまだ終わりの見えない物語が続く中、最終的に誰もが納得する結末を迎えることができるのか…これからの動きに一層注目したいところである。

(文=姜 由奈)

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