急死した女優の“遺作”となるソン・ガンホ主演映画に対して、上映禁止仮処分申請…なぜ?

2019年07月02日 映画 #韓国映画
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“極端な選択”をしてこの世を去った女優チョン・ミソンの遺作で、ソン・ガンホ主演の映画『わが国の語音』(原題、チョ・チョルヒョン監督)。同作品に対する上映禁止仮処分申請が裁判所に提出された。

7月2日、法曹界によると、出版社ナノク(那碌)が「原作者の同意なしに映画を製作した」として、映画制作会社Doodoong Pictures、チョ・チョルヒョン監督、そして配給会社などを相手に、ソウル中央地方裁判所に映画の上映禁止仮処分申請を出した。

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ナノクは、「映画制作会社と監督は、出版社の同意を求めもしないまま書籍『訓民正音の道-慧覚尊者・信眉評伝』(著パク・ヘジン、以下『訓民正音の道』)の内容をもとに、シナリオ作業に入り、投資まで誘致した」と主張した。

また「出版社が問題提起することになって、ようやく協議をしようとしており、協議が終わる前に一方的に映画制作を強行した」と強調した。

ナノクはその後、著者との相談を経て、映画の上映禁止仮処分を申請することにしたと発表した。現在、ナノクは『訓民正音の道』の独占出版権と、映画化の権利を保有しているとされている。

映画『わが国の語音』

しかし制作会社であるDoodoong Pictures側は同日、「『訓民正音の道』は映画『わが国の語音』の原著作物ではまったくない」と反論し、公式立場を伝えた。

Doodoong Picturesは公式立場として、「訓民正音の創製過程に仏教界の信眉(シンミ)が関与したという話は、『訓民正音の道』という書籍が出版されるずっと以前から提起されてきた歴史的解釈」とし、「制作会社はシナリオのプランニング段階からこの部分に注目して、企画を進めた」と明らかにした。

続いて「『訓民正音の道』の著者パク・ヘジンには、映画『わが国の語音』のコンサルティング契約を通じてかなりの諮問料を支払い、信眉に関するアドバイスを求めた」と伝えた。

Doodoong Pictures側は「制作会社は今回の上映禁止仮処分申請が提出される前の6月20日頃に、著者パク・ヘジンを相手に“制作会社がパク・ヘジンの著作権を侵害していない”こということを確認するために、著作権侵害停止請求権など不存在確認訴訟をソウル中央地方裁判所にすでに提出した状態だ」と説明した。

それらの理由から、Doodoong Pictures側は「映画は書籍を無断で複製したり、書籍を原作にしたりして作られた二次的著作物ではまったくないので、出版社側の主張が不当で理由がないという点が仮処分裁判を通じて明らかになることを期待している」と付け加えた。

映画『わが国の語音』は、歴史に記録されていないハングル創製の物語。俳優ソン・ガンホがハングルを創製した朝鮮王朝の王・世宗(セジョン)に扮し、パク・ヘイルが創製過程をともにした僧侶・信眉を演じる。

来る7月24日に韓国で公開される予定だ。

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