兵役判定検査を受けて現役兵になることが決まると、ほどなく兵務庁から入隊通知がくる。しかし、すぐに入隊できない人が多いのも事実だ。そこで、指定日に入隊できない人は、延期申請書を提出することになる。
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この入隊延期で一番多い理由は学業だ。
大学生が学期の途中に急に入隊するわけにもいかない。実際、学業は正当な延期理由と認められており、大学生は1学年か2学年が終わってから休学して入隊することになる。
それゆえ、韓国の男子大学生は卒業時には25歳くらいになっている。
なお、芸能活動は正当な延期理由になってはいないが、芸能界での活動が評価されれば、兵務庁が延期申請書を受理してくれる。
そして、韓国の兵役法によると、30歳まで入隊を延期できることになっていた。そういうこともあって、今までは30歳くらいまで延期する芸能人がかなり多かった。
ところが、事情が変わってきた。
2018年10月から兵役期間が段階的に短縮されていて、最終的には陸軍の兵役期間が21カ月から18カ月に変わる。これは芸能人にとって朗報なのだが、その一方で、兵役延期が可能な年齢も早まってきた。
このことは、兵役を司る兵務庁が方針を変えたことが影響している。
実際、兵務庁は2018年10月から、28歳以上の男子の兵役延期に制限を加えるようになってきた。
従来でも28歳以上の人の兵役延期には相応の理由が不可欠だったのだが、芸能人の場合は慣例として認められるケースが多かった。しかし、2018年10月を境に、今までの慣例が通用しなくなった。
その結果、かつてなら30歳のギリギリまで兵役入りを延期していた芸能人が、入隊を早めなければならなくなった。
また、25歳以上の芸能人は、海外渡航にも支障をきたす恐れが出てきた。というのは、兵役がまだ済んでいない人は、1回あたりの海外渡航は6カ月以内と期間が限定され、回数も5回までと決められている。
しかも、合計で2年以上の海外滞在は許可されなくなった。
以上のように、兵役の延期には様々な制約がつくようになった。こうした影響で、27歳くらいで入隊する芸能人が増えたのだ。
この傾向は今後も続くことだろう。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
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