【サブカル日韓】日本でも大好評の映画『神と共に』。原作を超えた斬新な工夫とは?

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そもそも韓国ではハ・ジョンウ、チュ・ジフンといった人気俳優たちがキャスティングされた時点で「ヒットは確実」とされていたが、映画化のために原作にないオリジナル設定もふんだんに散りばめられており、斬新なアレンジが映画ファンを惹きつけるだけでなく、原作を知るファンも納得させる“新鮮さ”を作り出したことが大きい。

まず驚くのが主人公キム・ジャホンの人間性だ。

原作では特別なものは何もない平凡な人物として描かれており、逆に冥界の人々が彼をなんとか素晴らしい人間に仕立て上げようと試行錯誤を重ねて“地獄の裁判”のクリアを試みるのだが、映画では大前提を覆すかのように“あまりにもドラマチックな背景”を持つ人物になっている。

その職業は国民の安全を守る消防隊員であり、病を抱える母を支える孝行息子として描かれているのだ。劇中では、ジャホンが生前に数えきれないほどの善行を重ねたことから死者の中でも特別な存在である“貴人”として丁重に扱われる場面もある。

ただ、そんなキム・ジャホンが抱える「唯一の罪」が物語の核心にもなる。

“聖人君子のような主人公のたった一つの過ち”という問題提起が観客たちを予測不可能な展開へと誘い、その好奇心を大いに刺激してくれるのだ。

原作で触れることのなかった“家族の絆”

さらに言えば、キム・ジャホンの弟キム・スホンの存在も、観客たちを映画の世界観に引き込ませる。

キム・スホン(俳優キム・ドンウク)

ストーリーの後半では物語のカギを握る重要人物として大活躍するのだが、実は彼もまた映画ならではのキャラクターなのである。

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