ポン・ジュノ監督の最新作『パラサイト』、5月に韓国初公開。“異質”で“奇妙”な予告は必見

2019年04月10日 映画 #韓国映画
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ポン・ジュノ監督と俳優ソン・ガンホが4度目のタッグを組んだ新作映画『パラサイト』(原題:寄生虫)が、来る5月に韓国で劇場初公開される。

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一家全員無職のキム家の長男ギウ(チェ・ウシク)が家庭教師の面接のため、IT企業のCEOパク社長(イ・ソンギュン)の家に足を踏み入れたことから物語が始まる『寄生虫』。一見何の変哲もない2つの家族の出会いだが、これが後に取り返しのつかない事件に発展するという。

最近公開された第一弾のポスターには、のどかな住宅の庭に佇んでいるにも関わらず、時間が止まったような妙な雰囲気を醸し出す両家族の姿が映っている。一カ所に集まっていながらも、お互いに顔を合わせる様子はない。

青い芝生の真ん中に立つ“全員無職”キム家の家長ギテクと、庭に出てこようとする彼の長男ギウ、サンベッドで豊かな日差しを浴びるパク社長と彼の妻ヨンギョ(チョ・ヨジョン)、そして、すべての様子を家の中で見守るかのようなパク社長の二番目の息子、ダソン(チョン・ヒョンジュン)。佇む人物たちには、1人残らず目線による目隠しがされている。

そんな中でひときわ異質な空気を放つ、彼らの前に横たわる脚の主は誰なのか。今にも何かが起きそうな緊張感を漂わせ、2つの家族の前に訪れる途方もない事件に対する関心を高めている。

(写真提供=CJエンターテインメント)

まるで正反対でお互いに会うはずのなかった2つの家族の頭上に書かれた「幸せは、分かち合うほど大きくなるでしょう」という一言もまた、『パラサイト』がもたらす笑いと緊張感、悲しみのこもった“喜悲劇的”なストーリーを連想させる。

さらに、今回のポスターとともに公開された予告編は予測不可能な展開を暗示し、女優パク・チョンジャによる個性的なナレーションも特有の雰囲気を作り出している。果たして“寄生虫”の実態とはなんなのか、見る者の想像力を掻き立てた。

ギテクと彼の妻チュンスク(チャン・へジン)、そしてその子供たちのギウ、ギジョン(パク・ソダム)兄妹に置かれた状況は実に厳しい。携帯電話も止まり、密かに使用していた上の階のWi-Fiもパスコードによって利用できなくなっていた。これに対してチュンスクは「どう思う?」と問いながらギテクを責め立てるが、肝心のギテクは黙ったまま食パンをかじるばかりだ。

一家の転機は、突然訪れる。

(写真提供=CJエンターテインメント)

友人の紹介で高収入家庭教師となるチャンスを得たギウが、在学証明書を偽造して面接に向かうことに。彼はギテクに向かって「父さん、僕はこれが偽造や犯罪だとは思いません。僕は来年必ずこの大学に行くから」と話した。ギテクもまた「息子よ、お前は計画をすべて立てているんだな」と返す。安定した収入の訪れに対する希望を語る親子の姿は、まさに喜劇のようだ。

何物にも代えがたい圧倒的な存在感を放つパク・チョンジャのナレーションは、長年彼女のファンであったというポン・ジュノ監督の熱意によって実現した。パク・チョンジャは巧みなナレーションに加えて、ギテク宅の窓から消毒剤が入ってくるシーンでは咳払いの演出まで見事にこなし、映画の緊張感の中になんとも言えないユーモアを与えている。

ポスターから予告編まで。早くも異質な雰囲気に包まれたポン・ジュノ監督の最新作『パラサイト』は、来る5月末に韓国初公開される。

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