YGがアーティストの「品性教育」を見落とした側面がたしかにある、という指摘もある。
B氏は「特に品性教育といえるものがYGにはない。社内に明確なルールがあってそれを破れば明確に処罰するシステムがあるべきだが、人気の高いアーティストの発言こそルールというケースも多い。内部関係者は、公平性に欠けるという認識を持つしかない環境だ」と述べる。
アーティストの私生活管理や品性教育に徹底し、関連システムを見直す最近の潮流の中、YGだけが孤島になっているのだ。
BIGBANGのG-DRAGONは、2011年10月に大麻吸引の疑いで立件された。同年5月の日本公演中、某クラブで大麻を吸った事実が証明されたが、本人は「酒に酔って大麻を喫煙と勘違いした」と釈明した。
当時、検察は「初犯であり、深く反省した点を参酌した」とG-DRAGONに起訴猶予処分を下し、“軽い処罰”と論議が巻き起こった。 それでも「自粛」はなかった。
2012年2月にトーク番組『Healing Camp』(SBS)に出演したG-DRAGONは、そのことに触れながらテレビ復帰に成功した。大麻事件を起こしたが、芸能活動のブランクはほとんどなかった。
最年長メンバーのT.O.Pが、兵役中に大麻吸引問題を起こした2017年末にも、T.O.Pを除くメンバーで日本ツアーを強行。グループとしての自粛もなかった。
このように、YGはアーティストが物議を醸したとき、「自粛」よりは「正面突破」を試みた場合が多い。
A氏は「盗作、衣装、悪口、薬物など大小の問題が起きるとき、YGが取る基本的な態度はただ無視して通り過ぎること。問題とは関係なく商業的成功が続くので、システムを見直す必要性を感じなかったかもしれない」と語る。
芸能関係者のD氏はこう分析した。
「K-POP界の3大事務所と呼ばれるくらいなら、問題を起こすのは自分たちだけのマイナスではなく、K-POP全体に泥を塗るようなものだ。“韓流事業”にも致命的。アーティストは問題を起こす可能性があるが、ずっと指摘される問題を改善しないのは、YGの過ちである。YGが良いコンテンツを作ることは疑いの余地がないが、結果的には最近“品性重視”JYPが勢いに乗っていることと明らかに対照的な雰囲気ではないか」