世間を欺こうとした芸能人の言葉だけを信じた所属事務所の誤りか、それとも所属事務所も真実を知りながら、芸能人と会社のために嘘をついていたのかを区別することができない。
もちろん所属事務所の立場としては一抹の悔しさもあるだろう。だが、それ以前に自分たちのアーティストをきちんと管理していなかった責任を考えるべきだ。
そして再発防止や改善の意思があるのであれば、アーティストが所属事務所を騙したのか、それとも共謀したのか事実関係を明らかにするべきである。
こういった所属事務所の現状には、速報競争に陥ったメディアにも責任の一部があるため、自己反省も必要だ。芸能界のスキャンダルを実況的に中継・報道しながら、所属事務所に立場の表明をうながし、その本質について問題提起をしない悪循環が続いている。
いずれにしても今回の一大スキャンダルを通じて、芸能事務所に対する信頼は地に落ちている。
現在、癒着疑惑を受けている警察は、警察庁長まで積極的に前に出て信頼回復に努めている。しかし芸能事務所は、自分たちの態度を変えたことや、偽りの事実を明かしたことについて、なんら謝罪や説明をしていない。
芸能事務所が自らの信頼を捨てているなかで、時とともに世間とファンの不信が募っている。このままでは彼らの言葉に誰も耳を貸さなくなるだろう。