今、韓国のお茶の間で司祭が脚光を浴びている。
これまで韓国ドラマ界で主人公の職業といえば検事、医師、警察などが代表的であったが、近年は司祭が新たな人気職業として浮上している。“司祭”とはキリスト教における位階の一つで、東方諸教会、正教会、カトリック教会、聖公会に存在する聖職者のことだ。日本では尊称である“神父”という呼び名が一般的だろう。
俳優キム・ユンソクとカン・ドンウォンが主演を務めた映画『プリースト 悪魔を葬る者』(チャン・ジェヒョン監督)は、まさに司祭というキャラクターの人気を生んだ“起爆剤”といえる作品だ。
2015年に公開された同作は観客動員数540万人以上という興行成績を誇っている。これをきっかけに韓国映画界でオカルトジャンルが親しまれるようになったことで、特殊な職業ながらも脚光を浴びるに至ったのだ。
韓国では、昨年からお茶の間にも司祭ブームが訪れている。
韓国放送局のなかでも多彩なジャンル展開を強みとしているOCNでは、『客 The Guest』(原題)、『プリースト』(原題)といったドラマ作品を通じて司祭というキャラクターにスポットライトを当てている。
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『客 The Guest』ではキム・ジェウク演じるチェ・ユンが悪魔退治の力を持つ祓魔師(エクソシスト)として活躍。原則主義の冷酷な司祭チェ・ユンが事件に居合わせた女刑事、霊媒体質の青年とともに悪霊に立ち向かうストーリーが大きな反響を呼んだ。
高い視聴率を記録した同作によって、OCNは一躍“ジャンル物の名門”としての地位を固めることとなった。
『客 The Guest』に続いて放送された『プリースト』では、本格的に祓魔師を主人公にしたストーリーが構成されている。ヨン・ウジンとパク・ヨンウが悪魔祓いの力を持った司祭に扮し、超常現象の渦巻く世界で医師とともに大切な命を守るエピソードを描いた。
前作『客 The Guest』程の反響は得られなかったが、『プリースト』は“メディカル・エクソシズムドラマ”という新しい切り口を生み出したという点で大きな成果を生んだ。
また、現在放送中のドラマ『熱血司祭』(SBS)では前代未聞の司祭キャラクターが視聴者の間で話題を集めている。