オスカー有力作『ミナリ』が米映画祭で2冠、「本物の家族みたい」と言われた理由とは

2021年02月02日 映画
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オスカーの有力候補作『ミナリ』の豪華俳優陣が、魅力的なコンビネーションで米映画祭演技アンサンブル賞2冠を達成し、ハリウッドを魅了するなか、出演者が“本物の家族”のような雰囲気を醸したビハインドストーリーを公開した。

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『ミナリ』は、希望を求めて“見知らぬ地”アメリカに渡った韓国人家族の、特別なストーリーを描いた作品だ。

本作はニューメキシコ映画批評家協会とミドルバーグ映画祭で、演技アンサンブル賞を受賞し、ゴールドリスト授賞式では出演俳優全員が演技賞を受賞するなど、実際の家族を彷彿させる完璧な演技でハリウッドを魅了している。

そして現在、“チーム・ミナリ”のスティーブン・ユァン、ハン・イェリ、ユン・ヨジョン、アラン・キム、ノエル・チョのビハインドストーリーが話題だ。

映画『ミナリ』韓国版ポスター

“本物の家族”に見える理由とは…

彼らは、アメリカの田舎町アーカンソーを舞台とした物語を描くため、オクラホマ州のタルサで撮影を行ったという。周辺には何もない環境だったため、出演俳優たちは撮影期間中ずっと同じ宿舎で過ごすこととなった。

宿泊所と撮影場だけを行き来する日常を送ったため、撮影が終わったあとも同じ家に一緒に暮らしながら家族のように集まって会話し、映画について絶えず研究していた。

これは映画の撮影現場としては非常に異例のことだ。特に、韓国語が上手ではないスティーブン・ユァンが負担を感じる度に、ユン・ヨジョンとハン・イェリが彼に熱い勇気を与え、台詞を自然に表現できるよう助けたとのことだ。

リー・アイザック・チョン(韓国名チョン・イサク)監督も韓国語が上手ではないので、文語体になっている部分は俳優たちが直接アイデアや意見を出して修正しながら、映画をともに作り上げた。

このような過程を通じて俳優たちは、自身が演じるキャラクターに完璧に没頭することができ、チーム・ミナリは本物の家族のような自然さと深い絆を形成させた。

(写真=PANCINEMA)

現在、華麗な受賞歴を更新中の俳優たちは口をそろえて「アンサンブル賞は私たちがもらっても当然ではないか」「皆が心を一つにした映画で、アンサンブルだけは最高だった」と自信を示し、チーム・ミナリの化学反応へ期待を高めている。

『ミナリ』の演出と脚本に参加したリー・アイザック・チョン監督は、すでに『Munyurangabo』(原題、2007年)で、第60回カンヌ映画祭で「ある視点」部門にノミネートされ、映画界に大きな反響を呼び起こした名監督だ。

また『ムーンライト』『それでも夜は明ける』などのアカデミー作品賞受賞作を生み出したブラッド・ピットの制作会社プランBエンターテインメントが制作を担当し、『ムーンライト』『ルーム』『レディ・バード』『ロブスター』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』など、数々の名作でオスカー常連となった映画会社A24が、北米での配給を担当することとなった。

『パラサイト』に続く要注目の映画『ミナリ』は、韓国で3月に公開予定だ。

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