韓国のラッパーIRON(本名チョン・ホンチョル)が、29歳という若さでこの世を去った。
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警察によると、IRONは1月25日10時25分ごろ、ソウル中区(チュング)のとあるマンションの花壇で血を流したまま倒れており、警備員に発見された。その後病院に搬送されるも、死亡判定を受けた。
人気ラップバトル番組『SHOW ME THE MONEY3』準優勝という肩書きを引っ提げてデビューし、スポットライトを浴びてきたIRONは、暴行、麻薬など良くない話題で世間を賑わせてきた。
今回のニュースは、2020年12月に行われた未成年暴行事件の捜査中に伝えられたニュースだったため、その衝撃はより大きいものとなっている。
IRONは2014年に『SHOW ME THE MONEY3』で、自伝的なストーリーを盛り込んだ楽曲『毒気』でヒットし、準優勝を獲得したことで名前を世に知らしめた。
その後、『blu』『ROCK BOTTOM』などの曲をリリースしたが、彼が起こした事件や事故の方が大きな話題となり、アーティストとしての活躍は長続きしなかった。
IRONは2017年、交際相手の女性と性行為中、自身の要求を受け入れないことに腹を立て、顔を殴った容疑(傷害など)で起訴。懲役8カ月、執行猶予2年、社会奉仕80時間の刑を受けていた。
また、この事件が報道された当時、記者を利用して女性に関する虚偽情報が報道するように指示した疑いでまたしても起訴され、2020年9月に罰金500万ウォン(約50万円)を言い渡された。
そして大麻喫煙の疑い(麻薬類管理に関する法律違反)でも起訴され、2016年11月に懲役8ヵ月、執行猶予2年の判決も受けている。
暴行、大麻使用の事件で、しばらく活動を中断していたIRONは、2020年9月にアルバムリリースを発表し、復帰を伝えたが、同年12月、未成年のルームメイトをバットで暴行した疑いで警察に逮捕され、調査を受けていた。
警察によるとIRONは、ソウル龍山区(ヨンサング)の自宅でルームメイトの男性(18)をうつぶせの体勢にしたあと、バットで数十回にわたり殴打した容疑(特殊傷害)で現行犯逮捕された。
当該事件は起訴意見として検察に渡されたが、IRONが死亡したことによって公訴権なしで終決する見通しだ。
様々な議論に巻き込まれたIRONは昨年9月の復帰を控え、自身の過ちを悔いているという言葉を残していた。
当時彼は「自分が“粋”だと思っていたことの多くが社会では通用せず、自分だけの中途半端な正義だったと悟った。私のせいで大変だった多くの人々に、いつも申し訳ない気持ちで長い間苦しんだ」とし、「生きてきて感じたすべての感情を飾らず消化して歌詞を書き、サウンド1つ1つに心血を注いで作った作品であるだけに、これまで私を待ってきた時間を絶対無駄にさせないと約束する」と復帰へ向けて前向きなコメントを残していたが、結局約束を守られず、法の審判を待っている途中でこの世を去ることになり、残念さを禁じ得ない。
現在警察は、IRONの正確な死因について捜査中とのことだ。
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