韓国の演技派女優、ムン・ソリ、キム・ソンヨン、チャン・ユンジュが、“三姉妹”へと生まれ変わった。
1月18日、ソウル竜山(ヨンサン)区のCGV竜山アイパークモールで、映画『三姉妹』(原題、イ・スンウォン監督)のメディア試写会、および記者会見が行われた。
映画『三姉妹』は、表向きには全く問題のないように見えるが、“見せかけだけの性格”、“小心者”、“トラブルメーカー”の三姉妹が、これまで周りに明かすことができなかった過去を打ち明けることから始まる物語を描いた作品だ
本作は、韓国内で2021年1作目となる韓国映画公開作だ。
映画『お嬢さん』、Netflixオリジナルシリーズ『保健教師アン・ウニョン』などで圧倒的な存在感を披露してきたムン・ソリは、次女のミヨンを演じた。ムン・ソリは出演するだけでなく、制作にも携わり、作品への愛情を深めてきた。
「映画が皆さんにもっと寄り添ってほしいと切実に願っている」という言葉とともに「最初はキャスティングの提案を受け、色々と話し合っていたが、この作品が世の中に出てほしいと思い、うまく作るためにはどうすればいいかという悩みをすべて分かち合った。共同プロデューサーとして一緒にやろうと提案してくれたので、役に立つのであれば一緒に何でもできる。 演技もするが、できることは何でもするという気持ちで作り上げた」と話した。
続いて「気持ちはそれほど違わなかった。イ・チャンドン監督に初めて映画を学んだときから、俳優だからといって演じるだけではなく、(チームの)みんなで映画を作っていくのだという姿勢で作品を作らなければならないと学んだので、この作品を作る上でいろいろと議論できたのが楽しかった」と話した。
ムン・ソリだけでなく、キム・ソンヨン、チャン・ユンジュも、イ・スンウォン監督と台本に対する強い信頼を示した。
ムン・ソリは「シナリオを読んでとても良いと感じた。このような映画が必ずあったらいいなと思った。イ・スンウォン監督の前作もすべて見たし、演出した演劇も見た」とした。
『愛の不時着』では人民班長のナ・ウォルスクを好演したキム・ソンヨンは、長女のヒスク役を演じた。
「劇団でも一緒に仕事をしてきたイ・スンウォン監督は演出、わたしは演技指導に携わった。長いこと一緒に仕事をしてきたので、(イ・スンウォン監督のことを)私が大韓民国で一番理解していると思う。なので作業も難しくはなく、(自分が)演じるキャラクターに集中することができた。これからもイ・スンウォン監督の作品に参加したい」と意欲を示した。
映画『ベテラン』に続いて、映画作品に挑戦したチャン・ユンジュは、三女・ミオクに扮した。彼女は並々ならぬ覚悟で、今作に臨んだという。
「モデルとしてのキャリアや華やかさはすべて取っ払った」とし、「従来のモデルとしてのイメージではなく、実質的な日常演技にもよくにじみ出る部分をたくさん出そうと努力した。化粧もせず、服も華やかではなく、生活感がにじみ出る衣装、これまで染みついた仕草をすべてなくすことが、今回の役を演じる前からとても悩んでいた」と説明した。
3人の生活感にじむ演技が目を引く理由は、イ・スンウォン監督がシナリオの作成段階からキャストたちを念頭に置いていたからだ。
イ・スンウォン監督は「釜山映画祭のとき、初めてお会いしたムン・ソリさん、キム・ソンヨンさんの2人で映画を撮るならば、どのようなシナリオを書けばいいかを考えながらシナリオを書いた。最初は漠然と私が思うムン・ソリさん、キム・ソンヨンさんに対するイメージを想像しながらキャラクターを書き上げた」
「撮影が開始してからは対話しながらキャラクターを変化させた。最後に(三姉妹の)末っ子役にチャン・ユンジュさんがキャスティングされてから、もっとチャン・ユンジュさんに合うキャラクターに近づくよう、台詞などを修正した」と説明した。
劇中に盛り込まれた家庭内暴力や浮気問題についても説明し「家族の問題が最も普遍的な韓国映画の基礎となるトピックのようだ。家庭内暴力や浮気などの問題は、単なるテーマかもしれないが、(家族問題についての)深さや幅を考えられていない作品があまりにも多く、簡単に消耗されてきたという問題もあった」
「もっと単純だと思われる部分を、より深く覗く作業がしたかった。単純なようだが、誰もが共感し、深く考えることができる原論的な問題意識を持ちたかった」と付け加えた。
最後にムン・ソリは「私たちが映画に込めた真心が、しっかりと浸み込んでいればと思う。もちろん、大変な時期だということは理解しており、皆が映画館に来てほしいとも言いづらいが、少しでも慰めになればいい」と話した。
チャン・ユンジュは「難しい時期だが勇気を出した。私は私たちの作品を愛している。よろしくお願いします」と、作品への自信を語った。
映画『三姉妹』は、韓国で1月27日に封切りとなる。
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