修士論文の盗作疑惑で物議をかもした韓国の人気歴史講師ソル・ミンソクが、SBSの新年特番からも追い出される。
【注目】ソル・ミンソクの世界史番組に指摘「事実関係自体が間違っている」
1月7日、テレビ関係者によると、ソル・ミンソクはSBS特番『AI vs人間』(原題)のパネラーとして撮影に参加したが、編集でカットされて出演しない。
ソル・ミンソクは最近、『ソル・ミンソクの裸の世界史』(原題、tvN)という番組における歴史歪曲論議に続き、延世大学校・教育大学院・歴史教育専攻の修士論文に盗作疑惑が浮上した。
最終的にソル・ミンソクは「修士論文を作成するにあたり、研究を怠って引用と脚注表記を無視した」などと盗作を認め、すべての番組から降板した。
それによって、すでに議論が巻き起こる前に撮影していた特番『AI vs人間』側が困難な状況となった。
来る1月29日から5部作で放送される『AI vs人間』は、韓国で初めて人工知能(AI)と各分野のトップクラスの人物が真剣勝負を行うAIバラエティ。歌の物まね、ゴルフ、株式投資、心理認識など計6つの種目で、人間とAIが対決を繰り広げる形式だ。
ソル・ミンソクも人文学のパネラーとして参加したが、制作陣は彼の出演部分を編集ですべて削除することを決めた。すでに本人の意思に基づいてすべての番組から降板となったことはもちろん、“準芸能人”であるソル・ミンソクには道義的責任まであり、編集は避けられない選択だったというわけだ。
ただし、さらに難しい問題は美人歌手ホン・ジニョンの扱いだ。
ホン・ジニョンも論文盗作疑惑が浮上する前に、『AI vs人間』の「トロット作曲」編の撮影に参加している(トロットとはK-POPとは違う、いわば“韓国の演歌”といえるジャンル)。ホン・ジニョンの疑惑も最終的に事実と明らかになったため、SBS側は彼女の出演部分を編集するしかない状況といえる。
しかし、コメントだけだったソル・ミンソクと違い、ホン・ジニョンが参加した「トロット作曲」編は特殊な状況であるため、制作陣は頭を抱えている。
「トロット作曲」編は、人間の作曲家とAIの作曲家が作った歌のどちらかをホン・ジニョンが選択し、ステージで披露するという構成であったため、ホン・ジニョンの出演部分を削除することになると、事実上、そのテーマ自体をあきらめることにならざるを得ない。
6カ月の長期的なプロジェクトであったため、放送までひと月もない現在、新たに撮影を進行することも困難な状況だ。視聴者の感情を考慮した場合、編集について議論されるべきだが、どんな結論になるにせよ、番組や他の出演者が被害を受けることになる。
とある関係者は「その作曲家と特にAI研究チームは、すでに6カ月間、総力を結集してこのプロジェクトを準備してきたため、構成自体が変更となる場合、多くの人々の努力が水の泡となる。制作陣は、編集するかどうか困り果ててしている」と耳打ちした。
学生時代の論文盗作によって、今になって多大な迷惑を与えている2人。SBS側が最終的にどんな決断を下すのか、注目したい。
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