2020年は韓国ドラマ界では、ウェブ漫画や小説を原作にした“ドラマ化作品”が大好評だった。
年初、同名ウェブ漫画を原作に大きな話題を起こし、OSTまでヒット、Netflixでも人気を博した『梨泰院クラス』を皮切りに、年末までその勢いは続いている。
とあるドラマ制作者は「最近はそんな作品を知的財産(IP)ビジネスとして見ている。ひとつのIPで多様な著作権事業を展開できると認識し、その作業が増えている」とドラマ化ブームを説明した。
12月13日に初放送された韓国tvNの新ドラマ『哲仁王后』(原題)と、OCNのドラマ『驚異的な噂』(原題)などが上昇を見せ、ドラマ化作品の人気をさらに加速している。
『哲仁王后』は初回で全国視聴率8.0%(ニールセンコリア有料プラットフォーム基準)を記録し、『ミスター・サンシャイン』に続いてtvN土日ドラマ歴代初放送視聴率2位に上がり、第2話では8.8%まで上昇した。
『哲仁王后』は、中国の人気ウェブドラマをモチーフにしたドラマで、チェ・ジンヒョクとシン・ヘソンなどのキャラクター演技が新鮮な楽しさを与え、視聴者の心を掴んだ。初週から爆発力を見せただけに、今後二桁台の視聴率を難なく達成すると思われる。
『驚異的な噂』は評価満点の同名ウェブ漫画をドラマ化した、退魔師とヒーローを結合させたキャラクターたちの物語だ。12月13日の第6話で視聴率7.7%を記録し、2018年の『ボイス』(7.1%)が作ったOCN歴代最高視聴率を更新した。
まだ中盤でこの視聴率を出しているだけに、今後どこまで伸ばすのか注目を集めている。
その他にも、カカオTVのオリジナルドラマ『ミョヌラギ』(原題)が原作ウェブ漫画と高いシンクロ率のキャラクターはもちろん、毎話20分という短いランニングタイムにもかかわらず、密度の高い構成と演出でファンの心をひきつけている。毎話再生回数100万回以上を誇り、原作にも劣らない人気を証明している。
さらに放送を開始したtvNのドラマ『女神降臨』も、人気ウェブ漫画を原作とした作品で、少しずつ期待が高まっている最中だ。
これらの作品は、原作を土台にした台本と原作ファンの期待感などで成功の可能性を高めていると分析される。そのため2020年はさまざまなドラマ化作品がお茶の間を楽しませたが、成功ばかりだったわけではなかった。
チョン・ユミ、ナム・ジュヒョク主演で注目を集めたNetflixの『保健教師アン・ウニョン』は、同名小説を原作に制作され、原作小説家もドラマ版に一部参加したが、既存の小説ファンはもちろん、一般視聴者からも酷評を受けることになった。
ウェブ漫画を原作にした『サンガプ屋台』や『夕食、一緒に食べませんか?』(原題)は、最初から注目を集めることにすら失敗した。
ドラマ関係者は、「ウェブ漫画は叙事的な限界があるのだが、それを修正・補完してTVドラマとしてしっかりと作ることが必要」と指摘した。別の関係者も「ストーリーやキャラクターと映像が相乗効果を起こすなど、複合的な影響が作用して人気を左右するものと見られる」と分析した。
ただ作品の完成度が人気と正比例しない場合もある。俳優ファン・ジョンミンと少女時代ユナの出演だけでも視聴率が期待されていた、JTBCの新ドラマ『HUSH』がそうだ。
12月12日に放送が始まった『HUSH』は、実際の記者が直接書いた原作小説を土台に細かいストーリーラインを誇り、演技力の高い出演俳優、完成度の高い演出と何ら穴のないドラマであることが確認されている。しかし視聴率は初回3.4%に続き、12月13日の第2話は2.6%まで低下。物足りなさを残している。
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