才気あふれるコメディ時代劇が、ドラマファンの年末を彩る。
「重くて深刻」という時代劇の先入観を吹き飛ばす、tvN新ドラマ『哲仁王后』(原題)と、KBS2の新ドラマ『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』(原題)がそれだ。
『哲仁王后』は、現代を生きる青瓦台(韓国大統領府)のシェフの魂が朝鮮時代の王妃の身体に宿ったことで繰り広げられる物語で、奇想天外な宮廷サバイバルが愉快に展開される予定だ。
また、『暗行御史』は不正腐敗を清算し、民の悔しさを解決する国王直属の秘密捜査官・暗行御史と、御史団員らによるコミカル・ミステリー捜査ドラマ。人間味あふれるキャラクターたちを押し立てて全年齢層を魅了するとのことだ。
歴史的根拠をもとにする正統派時代劇が主流から外れ、敏談や説話を再解釈したフュージョン時代劇がトレンドになって久しい。
しかし、放送を控えた『哲仁王后』と『暗行御史』の場合、「コメディ」がドラマの全体を貫くという点で、これまでとは違う新しい時代劇として新鮮さをもたらす見込みだ。
明るくて活気に満ちたコミカルさが、新型コロナで落ち込んでいる雰囲気を吹き飛ばすと期待されている。
各ドラマの制作サイドも、自信を示して期待を高めている。『哲仁王后』は、中国のウェブドラマ『太子妃昇直記』のリメイクとして確実な面白さがあり、主演シン・ヘソンとキム・ジョンヒョンらの優れた演技力がシナジー効果を生み出す見込みだ。
『暗行御史』は、視聴者受けの良い“ジャンル物”としての性格が強いだけに、吸引力を高められそうだ。また、キム・ミョンスやクォン・ナラ、イ・イギョンら若手俳優による成長物語が、大衆の好感度を高めるポイントになると期待されている。
とある関係者は次のように語った。
「時代劇は韓服を着たキャラクターのビジュアルから、舞台セットなど外観が現代劇とは確実に違うだけに、没入度が高い。それが時代劇のマニア層がいる理由だが、フュージョン時代劇は時代劇のマニア層のほかに、若い視聴者まで引き寄せる。今回のコメディ時代劇が、どんな新しいファン層を確保できるか、見守りたい」
ほかの関係者は、「今は目の肥えた視聴者が多い。コメディもウェルメイドとして視聴者に寄り添うべきだが、新しい時代劇はB級ギャグを含めているとのことで、幕が開けるまでは成否を断定するのは難しいだろう」と伝えた。
はたして『哲仁王后』と『暗行御史』が、年末のお茶の間を沸かせるか、注目が集まる。
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