10月21日、アジア最大規模を誇る映画の祭典「第25回釜山国際映画祭(BIFF)」(以下、BIFF)が開幕した。
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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で「カンヌ国際映画祭」をはじめとする世界有数の映画祭が中止となり、韓国内でも期待作とされていた映画の公開が延期またはNetflixに移すなど、多くのことが変わった。そんな中、今回のBIFFのオフラインおよびオンライン開催は大きな意味と抱負を持つ。
BIFFならではの屋台街も姿を消し、海雲台(ヘウンデ)の風景も見られないが、コロナ禍でのオフライン開催だけでもBIFFが持つ意味は大きい。
今年は68カ国から集まった192本の映画が上映される。開幕作は『七人楽隊』、閉幕作はアニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』が選定され、それぞれ21日、30日に屋外劇場で上映される。
また、今年の「カンヌ国際映画祭」の出品作23本がBIFFで初公開される予定だ。コロナ禍のピンチをチャンスに変えようとする意志も感じられる。
BIFFの関係者は「いつもは上映作が300本ほどだったが、今年は大幅に減った。それでもオフラインで開催すること自体が非常に象徴的だと思う。防疫ガイドラインと観客の安全を守るために万全を期している」と、現場の状況を伝えた。
開幕・閉幕式とレッドカーペットは、BIFFで最も大きな関心が集まるイベントだ。国内だけでなく、海外のスターたちも釜山を訪れ、BIFFの魅力にどっぷりハマったりするが、今年は対面による危険性を減らすため、そのような華やかさをすべて取り除いた。
BIFFの醍醐味であるオープントークも行わないが、GV(観客との対話)の場合、韓国映画限定でオフラインで行われる。
チケットもオンラインのみで購入出来、全作品は1回上映を原則とする。
BIFF側は「韓国映画のGVにはすべての俳優たちに出席していただく。本当にありがたいことだ。海外映画の場合、オンラインやグリーティング映像で代替する予定」とし、「足を運んでくださる観客の皆さまにも感謝する。15日から前売りを開始し、先週末に前売り率が90%を超えた。有効な座席数は25%なのでより多くの方にお越しいただくことはできないが、今の状況では安全が最優先だ」と改めて強調した。
メディアの取材方法も変わった。BIFFの開催シーズンになれば多くのメディアが釜山を訪れたのに比べ、今年は人数が明らかに減り、その空白はオンライン記者会見などで埋めるとのことだ。
BIFF側も「取材環境が良くはない。何よりも防疫を優先しなければならない状況だ。現場ががらんとしているかもしれないが、新たな突破口としてオンライン記者会見などを行う。一生懸命準備したので、BIFFに対する多くの関心と応援をお願い申し上げる」と呼びかけた。
厳しい状況だが、ポン・ジュノ、パク・チャヌク、イ・チャンドンといった韓国を代表する映画監督らも「一緒に乗り越えよう」という応援メッセージで力を添えた。
苦難の中に幕を開けたBIFFが危機をチャンスに変えられるか、注目が集まる。
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