俳優パク・ソジュンがその名を知らせたラブコメドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』が、再び注目を集めている。
主演ドラマ『梨泰院クラス』がNetflixで配信されたことを皮切りに、日本でも多くのファンを抱えているパク・ソジュン。10月1日には同じく主演を務めた『キム秘書はいったい、なぜ?』の配信がスタートし、人気の勢いが留まることを知らない。
『キム秘書はいったい、なぜ?』は配信初日から大きな話題を集め、10月4日には総合ランキング1位を記録。圧倒的な人気を再び感じさせた。
日本では『梨泰院クラス』のイメージが強いかもしれないが、そもそもパク・ソジュンは「ラブロマンスをやらせたら右に出る者はいない」とされるほどラブコメドラマで存在感を発揮していた。2015年の『彼女はキレイだった』、2017年の『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』などがとくに代表的だろう。
それだけに、『キム秘書はいったい、なぜ?』が放送された2018年当時、韓国では「さすがパク・ソジュン」「ラブコメ職人が新しい歴史を刻んだ」といった称賛の声が尽きなかった。
パク・ソジュンは劇中で、完璧主義者のナルシスト副会長イ・ヨンジュンを演じている。ルックスはもちろんのこと、いくつもの外国語をネイティブのように話し、各種データは細かいところまで徹底的に記憶しているなど、仕事に関しても非の打ちどころがない人物だ。
そんなイ・ヨンジュンだが、9年もの間傍で秘書を務めたキム・ミソ(演者パク・ミニョン)が急に辞めると言い出すと、動揺のあまり次々とボロを出しはじめる。
パク・ソジュンはイ・ヨンジュンのこのような“落差”を見事に表現し、『キム秘書はいったい、なぜ?』を大ヒットに導いた。
今やパク・ソジュンを語る上では欠かせない代表作となった『キム秘書はいったい、なぜ?』だが、パク・ソジュン本人は「最も負担に感じた作品だった」と語っているのだから驚きだろう。
『キム秘書はいったい、なぜ?』の放送直後に韓国のスタイルマガジン『HIGH CUT』に登場したパク・ソジュンは、インタビューを通じてこう話している。
「『キム秘書はいったい、なぜ?』は、最も難しい作品だと感じた。原作を知っている人たちの期待値はもちろん、原作の雰囲気をそのままに新しい魅力も見せるということは、とても負担に感じた。イ・ヨンジュンというキャラクター特有の口調や仕草を作り出すまでに、かなりの時間をかけた。“こういう口調にはこんな動作が自然だ”とか、“逆にこれはおかしいぞ”とか、悩むことがたくさんあった」
そもそも『キム秘書はいったい、なぜ?』は、人気WEBマンガの実写化ドラマだった。それだけに、原作のイメージがそのままプレッシャーとしてのしかかっていたわけだ。
しかし、そんなプレッシャーも試行錯誤するうちに期待感に変わったという。
「だけど、それと同時に“もうこんなキャラクターを演じるチャンスはないかもしれない”、“今の自分の年齢を見ても、ベストなタイミングではないか”という考えもあった。これからもWEBマンガ原作のドラマはどんどん増えるだろう。その頃には、イ・ヨンジュンのようなキャラクターは決して珍しいものではなくなっているかもしれない。“世間に浸透する前に、自分が先にやってしまおう”という、前向きな気持ちにもなった」
実際にパク・ソジュンは、『キム秘書はいったい、なぜ?』の翌年に『梨泰院クラス』で再びWEBマンガ原作のドラマをヒットさせている。
もちろん、キャラクターの性格は大きく異なるが、パク・ソジュンのこういった発言からも『キム秘書はいったい、なぜ?』で培った唯一無二の演技が『梨泰院クラス』に生きているといえるだろう。
韓国を越えて日本でも熱い人気が留まることを知らないパク・ソジュンは、現在新作映画『ドリーム』(仮題)を撮影中だ。選手生命最大の危機に置かれたサッカー選手を演じるというが、パク・ソジュンがスクリーンで見せる新たな魅力にも注目したい。
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