日本におけるK-POPガールズグループの人気が冷めやらない。
つい先日もTWICEがLINE MUSICのTOP100ウイークリー部門で首位に立った。TWICEは7月に発売した日本6thシングル『Fanfare』が25万枚以上の出荷量を記録し、日本で発売した10枚のCDがすべて日本レコード協会からのプラチナ認定を獲得するなど、圧倒的な人気を誇っている。
TWICE以外でも、IZ*ONE、BLACKPINK、ITZY、MAMAMOOなど、人気の高いグループは多いが、気になるのは実に個性的な彼女たちの“グループ名”だ。
そのグループのファンであればグループ名の由来を聞いたこともあるかもしれないが、意外と知らない人もいるのではないだろうか。
そこで今回は、日本で人気のK-POPアイドルたちのグループ名の由来をまとめてみた。あなたはいくつ知っているだろうか?
TWICEは、もともと「2回」という意味。TWICEの所属事務所JYPエンターテインメントの創業者、J.Y. Park(パク・ジニョン)が名付けた。
2015年4月29日、ソウルで開かれたオーディション番組『SIXTEEN』制作発表会で、J.Y. Parkは「今日、会社で(デビューする)ガールズグループの名前を決めた。TWICEだ。耳で1度感動を与え、目でもう1度感動を与えるという意味でつけた」と発表した。
つまりTWICEは、「いい音楽で1度、素敵なパフォーマンスでもう1度感動をプレゼントする」という意味だ。2回といわず、何度も感動を与えている彼女たちにぴったりなグループ名といえるだろう。
2016年6月のグループ名決定当時、YGエンターテインメントは「かわいい色として表現されるピンクに、否定の意味でブラックを加えた。“かわいいだけじゃない”という反転の意味で、見た目と実力を兼備したチームという意味」と説明した。
また同事務所関係者は、韓国メディアに「特別な商品の前にブラックという名称をつける。“特別な女性グループ”という意味にも解釈可能だ」と付け加えている。彼女たちはガールクラッシュな魅力を持つといわれており、まさにグループ名を体現している。
他にもアメリカの音楽雑誌『ローリング・ストーン』が以前、「彼女たちのグループ名から反転する魅力をプレゼントしている」とし、「女性美を誇ると同時に、エッジにあふれている。BLACKPINKはデビューから他と違った」と評価したことがある。
ちなみにグループ名が決定するまでの仮称は「PINKPUNK」だったそうだ。
インパクトが強い「少女時代」というグループ名は、「少女たちが平定する時代が来た」という意味を持つ。
彼女たちがデビューした2007年当時、K-POPグループは英語表記のグループ名が多かった。そのためグループ名を初めて聞いたメンバーたちはかなり衝撃を受け、まったくうれしくなかったという。
2010年のテレビ番組でグループ名を初めて聞いたときの感想として、スヨンは「私は聞いて涙を流した」と明かした。また、メンバーたちは嫌だった理由として「期待していたのは英語でできたEternity、Museといった名前だった」「“時代”が入っているのもおかしい」などと話していた。
ヒョヨンは最近のインタビューでも当時を振り返り、「本当に大変なことになってしまった」と心配を隠せなかったと告白している。
少女時代は、デビュー前は事務所から「女性団体チーム」と呼ばれていた、少女時代と名付けた職員はすぐに退社したなどなど、グループ名にまつわるエピソードが多い。
2019年1月、JYPエンターテインメントの新人グループとして「ITZY」というグループ名を発表した。韓国語で「있지(イッチ)」となり、「ある」という意味になる。「あなたたちが望むものが全部ある?ある!」と自信にあふれた意味が込められているという。
また、特定の対象を指すときに使う「it」、欲しいものを対象に使う「it」など英語の持つ意味と、ガールズグループに期待されるすべての魅力が「ある」という意味から名付けられた。
デビューショーケースでメンバーは「私たちのグループ名の前に他の修飾語は考えてみたことがない。これまで見たことのないチームになりたい」と思いを語っていた。
「12人の光を持つそれぞれの星がひとつになる瞬間」という意味。「IZ」が数字の「12」に見えることから、その名前に決まったという。
2018年8月31日に放送されたオーディション番組『PRODUCE 48』で、初めてグループ名が発表された。番組代表プロデューサーを務めていた歌手イ・スンギは、「公式ホームページを通じて意見を集め、グループ名が決定した。国民プロデューサーたちが直接つけた新しいグループの名前」と紹介している。
「生まれた赤ん坊が最初に覚えて言う“ママ(MAMA)”という言葉のように、世界中の人々に馴染む音楽がしたい」という意味から、MAMAMOOと名付けられた。
グループ名について、メンバーが直接説明したこともある。KBSの番組に出演したときのことだ。当時、番組に出演していた歌手チョ・ヨンナムが「質問がある。MAMAMOOの意味は、母親がいない(無)という意味か?」と質問した。するとメンバーたちは「メンバー4人とも全員、オンマ(母親)がいます」と返し、「生まれたばかりの赤ん坊のように、原初的で本能的に近づくという意味です」と説明していた。
少女時代とともに、2010年代に日本におけるK-POPブームを牽引したKARA。グループ名はギリシャ語の「CHARA=楽しさ」から来ており、「楽しさを与えるメロディ」という意味だ。
今でこそ日本でも多くの人が知っているグループ名だが、デビュー当時はまったくの無名で、どうにか存在を知らせようとスンヨンが努力したというエピソードが残っている。2009年11月に放送されたSBSの番組でスンヨンが明かした秘話で、無名時代にとある番組に彼女が出演したときのことだ。
「最初の挨拶をしてから、撮影中、ずっと言葉を一言も発せられなかった。(番組内の)罰ゲームになれば映るチャンスがあると思って、わざと問題を間違えて脱落した。罰ゲームがカボチャの種剥きだったのだが、チョ・ヒョンギ先輩が“私と一緒にカボチャの種を剥こうか”とアドリブでおっしゃってくれた。周囲も驚いていたが、チョ・ヒョンギ先輩が“君がKARAのスンヨンか。怖い新人だ”ともおっしゃった。初めて地上波でKARAの名前が呼ばれた。この場を借りて感謝の言葉を伝えたい」
強烈で魅惑的なカラー「Red」(赤)と、女性らしく優しい「Velvet」(柔らかで上品な織物)を組み合わせ、「ひとつのカラーに染まらない多面的な魅力を併せ持ち、発表する楽曲ごとに新しい姿を見せる」という意味が込められている。
SMエンターテインメントのグループとしては無難な印象もあるが、メンバーのジョイはグループ名について「最初に聞いたときから、すごく良かった」とし、「名前自体は平凡かもしれないが、とても大きな意味が込められている。魅惑的なレッドと柔らかいイメージのベルベットと合わせた言葉だが、洗練された音楽とパフォーマンスを見せるという意味が込められている。意味がとても大きいので、特別だと思う」と愛情を表したことがある。
ドイツの作家ミヒャエル・エンデの作品『モモ』に登場する主人公モモ(MOMO)のように、忙しい人々の時間を取り戻し、楽しい遊園地のようなイメージを連想させる「LAND」になるという抱負が込められている。
ナンシーは雑誌のインタビューで「MOMOLANDのグループ名には、“老若男女みんなが入場できる遊園地のような楽しさをあげよう”という意味が込められている。乗り物にもそれぞれ違った楽しみがある。メンバーごとに違う魅力を持っているというのが長所だ」と、グループ名に込められた意味を解釈していた。
どの方向から見ても中心がない宇宙のように、13人のメンバー全員が中心になるという意味を込められている。他にも、「宇宙」の英語「Universe」に全世界的な、普遍的なという意味があるように、世代や国境を超越するK-POPコンテンツを作るという意味があるそうだ。
メンバーのボナは、自分たちのグループ名をメディアの記事を通じて知ったそうで、「かなり衝撃的だった」と話したことがある。彼女は「うらやましいのは、TWICEやBLACKPINKは歌の序盤にグループ名が言えること。でも“宇宙少女!”なんて言ったら、あまりに変だ。やってみたいのに…」と残念がった。
ちなみにボナは芸名も記事を通じて知ったらしく、「事務所に行ったら“ボナ、デビューおめでとう”と言われた。ボナって誰だと思った」と、テレビ番組で明かしたことがある。
グループ名が10あれば、10の意味や由来がある。すべてのK-POPガールズグループが名前に込められた思いや抱負を実現できるわけではないが、だからこそ応援するファンも熱が入るのかもしれない。
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