JYJジュンス、“最後の刀だった” ミュージカル界での10年を振り返る【インタビュー】

2020年08月04日 話題 #JYJ
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歌手兼ミュージカル俳優のジュンスは、今やミュージカル界でひとつのジャンルになったと言っても過言ではない。

彼が出演する作品はチケット販売オープンと同時に売り切れとなり、国内はもちろん、海外ファンの観客も絶えない。

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10年前、アイドル出身として初めてミュージカルに挑戦したジュンスは、当時、自分に向けられた冷たい視線を今も覚えていた。

冷ややかだった反応か歓迎に変わるまで、彼は人知れぬ努力を積み重ねたという。その辛い気持ちは「もう一度あの頃に戻れと言われたら、戻りたくない」という彼の言葉からも汲み取れる。

ミュージカルデビュー10周年を迎え、デビュー作だった『モーツァルト!』で再びモーツァルト役を熱演するジュンスが、ミュージカル俳優として生きる心境を明かした。

自分に重ね合わせた『モーツァルト!』

彼にとって『モーツァルト!』は、はじめてミュージカル俳優という肩書を与えてくれた特別な作品だ。

前所属事務所との法廷争いでステージに立つことができなかった状況下で、劇中のモーツァルトが自分と似ていると思い、さらに感情移入できたという。

(写真提供=C-JeSエンターテインメント)ジュンス

「モーツァルトの人生が数奇だから胸が痛かったのもあるし、あの頃は自分の話みたいだと思った。天才であること以外、心理的なこちや、父親に話す気持ちが僕の気持ちとリンクした。初演のとき、技術的には未熟だったかもしれないが、やり遂げられたのは、自分の話だと感じたから。どうしてありのままの自分を見てくれないのか、あるにまま愛してくれなのか。その当時は、自分自身にしてあげたかった話だった」

10年前よりもテクニックは増えたが、『モーツァルト!』に限ってはテクニックを減らして感情表現に集中しているという。

「テクニックを身につけたはずだが、この作品だけはそうしたくなかった。10年前を回想できる舞台を披露したかった。公演をしていると、あの頃がすごく思い浮かぶ。以前は『星から降る金』を聴くと自分の話みたいで毎回泣いた。今も、ある瞬間涙目になる」

(写真提供=EMKミュージカルカンパニー)『モーツァルト』で熱演中のジュンス

「当時、ミュージカル意外には自分を知らせる機会がなかった。にもかかわらずミュージカルで賞をもらって、やり甲斐を感じたし、頑張ってここまで来たんだ、というありがたい気持ちだった。ただ、こういう成功を与えるから10年前に戻ってもう一度やれと言われたら出来なさそう。(苦労を)知ってたら出来なかったと思う」

ジュンスの歌は、どのミュージカル俳優の歌い方とも違う彼だけの特色が強い。

「最初は悩み深かった」という彼は、「声楽オペラを専攻した方がミュージカル俳優になるという認識が強かった頃だった。それでミュージカルの歌い方を真似していたら、 演出家のユ・ヒソンさんが、声楽を真似るな、彼らには追いつけない。君は君の個性を生かして、君の歌を歌えとアドバイスしてくださった。その言葉に力を得て方向を見つけ、ここまで磨き上げて個性を作った」と振り返る。

ミュージカルが最後の刀だった

最近は、自分を受け入れてくれたミュージカル界に少しでも恩返しすべく、主に創作ミュージカルを選んでいるという。

「ライセンスは海外で人気を得た作品なので、成功が保障されている。でも創作ミュージカルは上手く作るのも、宣伝も難しい。だからみんな創作を避けたがる。僕は『モーツァルト!』をやりながら慰められ、恩返ししたいと決めた。だから創作ミュージカルに出演して制作スタッフが良い作品を作り続け、お金を稼いで再投資するという好循環を生み出したい」

(写真提供=C-JeSエンターテインメント)ジュンス

同僚俳優らからは「明日が無いように演じる」と評価されるほど、舞台の上で全てを出し尽くす。公演場に足を運んでくれる観客を思うと、心ともなく頑張れるそうだ。

「僕にとってミュージカルは、最後に残された刀だった。だから、ぎゅっと握り締めて磨き上げた。与えられたことにベストを尽くすうちに10年がたったが、今後の10年、20年もずっと舞台に立ちたい。将来はモーツァルトの父役を任され、息子を叱るかもしれない。ミュージカルと共に年を取っていきたいと願う。そうなれば幸せだと思う」

ジュンスの主演ミュージカル『モーツァルト!』10周年記念公演は、8月23日まで上演される。

◇ジュンス プロフィール

1986年12月15日生まれ。2003年から2010年までを東方神起のメンバーとして過ごし、以降はJYJ、そしてミュージカル俳優として活動。優れた歌唱力と完成度の高いパフォーマンスは圧巻で、ミュージカル界で確固たる地位を固めている。2019年には韓流文化の拡散や人気に貢献した者に与えられる「韓流文化大賞」を受賞し、その存在感をより大きなものにした。

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