容疑者は芸人…韓国KBSの“女子トイレ盗撮事件”が残念すぎる2つの理由

2020年06月04日 話題
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韓国の公営テレビ局KBSの本社ビルの女子トイレに隠しカメラを設置して摘発され、自首した容疑者が、KBS公開採用のコメディアンであることがわかり、衝撃が倍になった。

【写真】KBS女子トイレ盗撮事件、容疑者の本名と顔写真が報じられる

最近、ソウル汝矣島(ヨウィド)にあるKBS本社研究棟の女子トイレで隠しカメラが発見された。警察が捜査に着手すると、6月2日に容疑者が自首した。

だが、その容疑者が2018年のKBS公開採用32期に合格し、バラエティ番組『ギャグコンサート』に出演したコメディアンであることが発覚し、大きな波紋が広がっている。

同じ番組の出演者を盗撮

KBSの研究棟は、主に『ギャグコンサート』に出演するコメディアンがアイデア会議を行い、練習する空間として活用されている。

つまり容疑者は、苦楽をともにしてきた同僚の盗撮を試みたことになる。盗撮が発覚した5月29日も、やはり出演者たちが練習のために研究棟に集まった状況だった。

特にその日の練習は、6月3日に行われた『ギャグコンサート』の最後の収録に向けた練習であったため、さらに複雑さを残す。

(写真=KBS)『ギャグコンサート』収録現場

韓国お笑い番組の元祖ともいえる『ギャグコンサート』は視聴率不振などの理由で、暫定的に休止となる。しかし一部からは事実上の放送終了とされているだけに、今回の収録が意味するところは大きい。収録自体は予定通りに進行されたが、盗撮という悪い材料が出現した影響は計り知れない。

ネット上では、容疑者の正体についてさまざまな憶測が飛び交った。KBS公開採用32期のコメディアン全員が、その憶測の対象となったりもした。最終的には1人のコメディアンが特定され、その人物はSNSを非公開に変更するなどの対応を見せた。

なぜ同じ番組に出演する同僚に盗撮という悪質な行為を行ったのかという批判が噴出していることはいうまでもない。

テレビ局KBSは“トカゲの尻尾切り”

またKBSの対処も批判されている。

隠しカメラが発見された当時、「(犯人は自社の)職員ではない」と一線を引いたものの、結局は公開採用出身のコメディアンだった。KBSの論理は、公開採用合格者とは1年間は専属契約をするが、以降はフリーランスとなるため、2018年に合格した容疑者はKBSの職員ではないということだろう。

(写真=KBS)KBS本社

たしかに理屈は正しいが、容疑者は最近まで『ギャグコンサート』に出演してきた。それだけにKBSのあまりに見放した“トカゲの尻尾切り”には、残念さが残る。その後、KBSは一歩遅れて「研究棟の建物から不法撮影機器が発見されたことを厳重に受け止め、再発防止と被害予防のための対策を設けて実施している」と謝罪した。

もちろん今回の盗撮事件によって、視聴者の笑顔のために奮闘しているコメディアンたちまで批判してはならない。それでも今回の事件は、『ギャグコンサート』のフィナーレを不名誉なものにした。放送20年の歴史とそれを制作してきた努力が汚れてしまったことは間違いない。

警察は容疑者の携帯電話をデジタル・フォレンジック(電子機器に残る記録を収集・分析し、その法的な証拠性を明らかにすること)しており、後に再召喚する予定だ。

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