9カ月ぶりに9人でカムバックしたTWICEの新曲ミュージックビデオに使用されたセットが“盗作疑惑”を起こしたなかで、問題の造形物が現在、米ラスベガスで展示されている有名作品であることがわかり、議論が予想される。
この作品は、先立って米ベロイトやシカゴなどの都市でも展示された。
単純なミスとするには、あまりに有名な作品であり、何よりもそっくりすぎる造形物であるため、なぜ万全の準備をしてリリースした新曲のミュージックビデオに堂々と登場するのか疑問だ。
事の発端は、造形芸術作家のデイヴィス・マッカーティー(Davis McCarty)氏が最近、SNSを通じて「TWICEが私の造形物を盗用してミュージックビデオを作った」と主張したことだ。
彼は、「『MORE & MORE』のミュージックビデオはすでに再生回数1500万回を超えており、これは芸術に対する露骨な著作権侵害だ」と主張したとされる。
6月1日に公開されたTWICEの新曲『MORE&MORE』のミュージックビデオには、マッカーティー氏の作品とそっくりなセットが2分37秒頃から約15秒間も登場する。湖の上に建てられた舞台に造形物が設置されており、TWICEがその前でダンスをしている。
TWICEのミュージックビデオに登場する造形物は、色とりどりのガラスを用いて光が崩れる様を演出するマッカーティー氏の代表作「Pulse Portal」と酷似している。
マッカーティー氏は自分のホームページで作品について、「2017年にリリースしたこの彫刻は“Aデザインアワード”で金賞を受賞した」と紹介した。また作品の説明には、「ガラスと鉄で制作された20フィートの長さのアーチ型の作品で、2016年度に制作」と書かれている。
マッカーティー氏は関連作品とともに、同作品の展示を紹介する『ニューヨーク・タイムズ』『シカゴ・トリビューン』『フォーブス』など、いくつかの報道も取り上げた。
さらに問題なのは、その造形物が現在も展示中の作品であるということだ。
マッカーティー氏側は、「Pulse Portalは100万人を超える人々が直接見ており、現在ラスベガスの15番エリアで展示中だ」と説明した。
一方、TWICEの所属事務所JYPエンターテインメントは6月3日、「『MORE & MORE』に登場するセットの一部が既存作品と類似しているという事実を、同日午前に確認した」とし、「ミュージックビデオの制作会社には、既存作品を手掛けたクリエイターとの話し合いを通じて問題を解決してほしいと要請した」との立場を明らかにした。
続いて「本社としてもアーティストの作品をリリースする会社で、今後こうしたことがないよう検証システムを補完する予定」とし、今回の論争について謝罪した。
しかしK-POPを代表する大手エンターテインメント会社が、しかもその看板グループのミュージックビデオに“盗作”と指摘される造形物を登場させるミスは、あまりに手痛いとしかいいようがない。
いうまでもなくTWICEは日韓を超えて、すでに世界中で注目されるK-POPトップグループに成長した。盗作という不名誉がアーティストに及ぼす悪影響を考えれば、あまりに悲惨な失敗だ。
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