新型コロナウイルスの感染者が報告され、韓国テレビ業界が緊急事態となった。
これまでテレビ関係者たちは新型コロナの感染拡大を防止しようと、万全の努力をしてきた。テレビという特性上、必然的に多くの製作陣と出演陣が同じ場所で撮影することになるため、感染者が出ればその余波は大きい。
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だからこそ慎重に慎重を重ねていたわけだが、3月28日にCJ ENM所属のプロデューサーが陽性判定を受け、緊急事態となった。
そのプロデューサーは最近の休暇でアメリカを訪問しており、3月18日に韓国に戻った。その後、陽性判定を受けるまでCJ ENMの社屋で勤務をしていたことがわかった。
そのためCJ ENMは社屋全体を閉鎖し、緊急防疫手順を進行。また感染者と接触した他のスタッフたちも検査を行い、自己隔離に突入した。
感染したプロデューサーが『パプブレスユー2』(Olive)の制作陣と知らされると、番組出演者のパク・ナレ、チャン・ドヨン、ソン・ウンイ、キム・スクなども検査を行い、陰性判定を受けた。
しかし接触が疑われる人は隔離され、同番組は2週間の休止を余儀なくされた。
幸いなことに追加の感染者は報告されていないが、韓国テレビ業界は緊張を緩めることができない状況だ。
感染したプロデューサーの動線を把握した結果、KBSメディアセンター内の録音スタジオを使用したことが明らかとなり、同じスタジオを使っていた『新商品発売~コンビニレストラン』(KBS2)チームも検査を受けた。
その他、『明日はミスタートロット』(TV朝鮮)チームも同じスタジオを使用していたため、スタッフが検査を受けることになった。KBSはメディアセンターの防疫を終えた状況だ。
同じ録音スタジオを使用した人たちだけではない。
感染したプロデューサーが手掛けた『パプブレスユー2』の作家が、『助けて!ホームズ』(MBC)にも参加していたため、MBCも前もって防疫措置をとり、制作陣全員が自宅に待機した。
感染者がCJ ENMセンターに長期間いたことがわかり、複数の人と接触した可能性も排除できないため、誰もが神経を尖らせている。
あるテレビ関係者は、「製作陣にはフリーランスで活動する人が多い。彼らはひとつの番組だけを担当するわけでもなく、編集室や録音スタジオなど複数の番組制作陣が共有する施設や撮影機器を使ったりもする。感染者の登場で放送局を問わず、懸念が広がっている」と話した。
これまで放送局では、前もって防疫措置を行い、新型コロナ感染拡大の防止に努めてきた。撮影現場に出入りする全員がマスクを着用し、体温をチェックするなど、慎重を期した。
放送局の入り口には熱感知カメラが設置され、出入りする人の健康状態を確認し、SBSでは在宅勤務と取材陣の出入り制限などの措置をとったりもした。にもかかかわらず、番組製作陣のなかから感染者が出たことで、懸念の声が上がっている。
追加の感染者は現在まで報告されていないが、緊張を緩めることはできない。
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