チン・セヨン主演で人気を博した『揀択(カンテク)』。題名にある「揀択」とは何か?

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韓国のTV朝鮮で放送された『揀択(カンテク)~女人たちの戦争』。主演は『オクニョ 運命の女(ひと)』や『不滅の恋人』に主演したチン・セヨンで、キム・ミンギュが共演した。

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気になるのは、タイトルになっている「揀択(カンテク)」だ。これは何のことだろうか。

実は、揀択とは、朝鮮王朝時代に王妃や世子嬪(国王の後継ぎである世子の妻)を選ぶ行事のことなのだ。

どのように行なわれたのか。

まず、王や世子が結婚する時期を迎えたら、王家に嫁を出せる身分(貴族階級ともいえる両班〔ヤンバン〕がほとんど)の家に対して“禁婚令”が出され、適齢期の娘の結婚が禁じられた。それは、王家が最高の条件をもった娘を全国から選(え)りすぐって嫁に迎えるという意思を鮮明にするためだった。

ただし、実際に対象とする年齢にばらつきがあった。世子は10歳前後に結婚することが多かったので、禁婚令が出されたのは通常8歳から12歳までの娘に対してだった。また、王の場合は初婚にしても再婚にしても10代の娘を嫁にしたので、実際に禁婚の対象となったのは10代の娘だけである。

このように禁婚令を出したうえで、両班の家に対しては結婚適齢期を迎えている娘の有無を自己申告させた。そうした書類を審査したうえで、面接試験に呼ぶ娘を選んだ。

ただし、朝鮮王朝の歴史を見ると、王家に嫁に出したばかりに実家が没落してしまった例がいくつもある。それは、王家の相続問題などのとばっちりを受けた結果だ。それゆえ、王家に嫁を出すことを敬遠したいと考える両班もあり、娘の存在を素直に自己申告しない家もかなりにのぼった。

いずれにしても、揀択というのは、娘を王家に嫁に出す両班にとっては名誉でもあり恐怖でもあったのだ。そうした国家の一大行事をテーマにした時代劇が『揀択(カンテク):女人たちの戦争』なのである。

(文=康 熙奉/カン・ヒボン)

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