元KARAク・ハラやソルリを死に追いやった“悪質コメント”…韓国ポータルサイトの対応と現実

2020年03月06日 話題
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韓国最大のポータルサイト「NAVER」(ネイバー)が、3月5日から芸能ニュースのコメント欄を廃止した。

人物名の検索時に表示される“関連検索語”も、同日午前から終了となった。

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先立って韓国の大手ポータルサイト「Daum」(ダウム)は2019年10月31日に芸能ニュースのコメント欄を暫定的に廃止し、今年1月20日にはリアルタイム検索ワードも終了させた。

韓国の大手ポータルサイトが、芸能人たちへの“悪質なコメント”を排除するために動き出したかたちだ。

「現在の技術的な努力だけでは不足」

去る2月19日、NAVERは芸能ニュースのコメント欄を暫定的に廃止し、関連検索語も中断すると発表した。

NAVER側は「現在の技術的な努力だけでは、芸能人たちの苦痛を和らげるには不足しており、芸能情報サービスの構造的な改編が完了するまで、芸能ニュースのコメント欄を閉じることに決めた」と背景を説明した。

芸能人である前に、人格権を守られるべき個人の苦しみに共感することが優先と判断し、今回の決定を下したという説明だ。

またNAVERは関連検索語も廃止し、問題点を補完すると発表した。現在、NAVERで人物名または活動名(芸名)、グループ名などを検索しても関連検索語が表示されない。

Daumはすでに昨年10月、リアルタイム検索ワードと芸能ニュースのコメント欄の廃止などを発表している。Daumの芸能ニュースのコメント欄や関連キーワード検索などは、昨年から廃止されており、「リアルタイム・イシュー検索」も2月20日付で完全に終了した。

NAVERは2019年10月から人工知能(AI)を使った“クリーンボット”で、最大の問題点とされる悪質コメントの削減に乗り出すなど、廃止ではなく“補完”に重点を置いたが、最終的にはDaumと同じようにコメント欄の廃止を決定した。

悪質コメントで芸能人を死に追いやる“指殺人”

韓国においてネット上における人格冒涜とプライバシー侵害は、これまでも絶え間なく議論が繰り返されてきた。

しかし2019年、元f(x)のソルリに続き、元KARAク・ハラまでがこの世を去り、悪質コメントは深刻な社会問題として浮上した。だからこそDaumやNAVERの積極的な対応策は肯定的といえるだろう。

故ソルリ(左)と故ク・ハラ

とある芸能事務所の関係者は、「芸能界に従事し、所属俳優たちが理由のない悪口や名誉毀損、嫌がらせをされたケースを何度も見てきた。表現の自由は保障されなければならないが、悪質な書き込みがまた別の悪質なコメントを生み、それによって芸能人たちが治すことのできない傷を受ける。そんな悪循環をなくす必要がある」と話した。

芸能ニュースのコメント欄を廃止したことが、悪循環を断ち切るきっかけになるということだ。

一方で、すでに芸能ニュースのコメント欄は、本来の意義は失っていたとの意見もある。

NAVERの「コメントが多いニュースランキング」は、常に特定のアイドルグループが掌握しており、ファンが多いアイドルのコメント数が多いのは当然であるため、話題性の基準にならないということだ。

ある芸能界関係者は「アイドルファンたちがコミュニティを通じて、特定の記事にコメントを書き込みにいく、いわゆる“総攻撃”、“座標作り”といった文化もあり、事実上コメント機能は無意味になった」と主張した。

また別の関係者は、「コメント欄の廃止は芸能人をケアしなければなら事務所の立場としてはうれしいことだが、コメント欄の廃止だけでなく、ネットを使う人々のマインドが変わらなければならないと思う。それが根本的な問題だ。この機会に悪質コメントが与える苦痛の大きさを悟り、それ生産している“荒らし”たちが反省してくれればと思う」と声を高めた。

SNSでは悪質なデマが拡散している現実

芸能ニュースのコメント欄は廃止されたが、今も韓国では芸能人をめぐるさまざまなデマはSNSやオンラインコミュニティなど通じて拡散されているのが現実だ。

最近も、韓国における新型コロナ感染拡大の主犯とされる新興宗教「新天地イエス教会」と関連し、その宗教と関係の深い芸能人、いわゆる「新天地教会芸能人」というタイトルの“チラシ”(怪文書)がSNSなどで急速に拡散され、多くのスターたちが根拠のないデマに対処する苦労を味わわなくてはならなかった。

特定宗教と関連したデマを否定したイ・ドンウク

さらに、新型コロナ克服のために数多くのスターたちが寄付活動などで良い影響を与えているにもかかわらず、根拠のない非難も噴出し続けており、コメント欄がなくなっても悪質コメントとの戦いは現在進行形だ。

コメント欄の廃止について、さらに慎重になるべきとの意見もある。

あるドラマプロデューサーは、「芸能ニュースのコメント欄は人々の反応を迅速にチェックする手段として肯定的な部分も大きい。NAVER、Daumなどのポータルサイトに偏りすぎている芸能ニュースの流通構造を改善することなしに、問題は解決しないだろう」と指摘した。

いずれにしても、韓国を代表するポータルサイトが相次いで芸能ニュースのコメント欄を廃止したことで、芸能界とオンライン文化にどんな影響を与えるか注目される。

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