史上初の開幕延期によって混乱するKリーグで、各クラブも“非常体制”に入った。
韓国プロサッカー連盟は2月24日に緊急理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し、2月29日に予定されたKリーグの開幕戦を暫定的に延期することを決めた。
事態がいつ鎮静化するかわからないだけに、今後のすべての予定が無期限延期されたことになる。大衆の関心と人気で成立するプロスポーツとしては当然の決定だが、各クラブは開幕延期の知らせに当惑を隠せずにいる。
ある程度の予想された事態だが、解決すべき問題に直面することになり、悩みが深まった。
最大の心配事は、選手たちのコンディションだ。
すべてのクラブは開幕戦に合わせて選手たちのコンディションを作る。開幕戦で最高のプレーを見せられるように、1~2月の冬季トレーニング日程やメニューなどを実行してきた。トレーニング初期には筋力トレーニングを行い、開幕が近づくにつれて練習試合などで実戦感覚を養った。
ところが開幕をわずか数日後に控えて、開幕が延期となった。突然の事態が発生したわけだが、前例もなく、対応方法を用意すること自体が難しい状況だ。
Kリーグのとある監督は「予想はしていたが、いざ決定してみると当惑する。どうやって準備していくか、今から悩むことになりそうだ。特別で画期的な案はないと思われるので、心配ではある」と述べた。
同監督の言葉通り、役に立つ対策を見つけることは難しい。
アジアサッカー連盟チャンピオンズリーグ(ACL)に出場するチームは試合感覚を引き上げる機会があるが、そうでない残りのチームは空しく時間を過ごすしかない。
練習試合でも行えればいいが、新型コロナウイルスの感染が懸念されている状況で積極的に推進することは容易ではない。Kリーグだけでなく、各級連盟戦やFAカップ、ユース大会などがすべてキャンセルされた状況で、練習試合を計画することは負担だ。
結局、クラブ独自のトレーニングがコンディションを維持する唯一の選択肢といえるかもしれない。
モチベーションの観点からも困難に直面する。
新シーズンを期待して準備に取り組んできた選手たちは、現状に対して虚脱感を持たざるを得ない。何よりも、いつ開幕するかわからないという点が、選手たちのモチベーションを奪う可能性がある。
別のKリーグ監督は「コンディションや体力などもそうだが、選手たちを精神的にどう準備させるかが、監督の重要な役割となりそうだ。開幕が延期となり、熱心に準備してきた選手たちが物足りなさを感じるのは当然である。監督として、選手たちのモチベーションを維持できるような雰囲気作りに徹しなければならないようだ」と述べた。
一方で、困難な状況をポジティブに活用したいという声もある。突然与えられた時間を負傷回復の機会にしようという考え方だ。
また別のKリーグの監督は「開幕の延期は誰もが納得し、また必ずしなければならないことだ。選手たちも同じ考えだろう。時間が与えられたので、負傷中の選手たちをしっかりと回復させ、開幕戦で良い競技力を誇ることができるように準備すればいい。今さら否定的にとらえたくない」と持論を展開した。
史上初の開幕延期によって混乱するKリーグ。各クラブの対策にも注目が集まる。
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