韓国サッカー界で「幼・青少年フューチャーチーム育成プロジェクト」が2月末から本格的に開始する。
フューチャーチーム育成プロジェクトとは、身体条件の偏差によって機会を得られない選手(Late Mature Plaayer)に均等な機会を提供するために作られたプロジェクトである。
今回のプロジェクトは昨年、韓国サッカー協会(KFA)が対国民政策報告会で発表した代表チーム強化法案のひとつだ。
KFAは2020年から男子3チーム(U-13、U-14、U-15)と女子2チーム(U-14、U-15)を対象に、フューチャーチーム育成プロジェクトを実施する。
プロジェクトでは2月から6月まで、各年齢別に国内招集トレーニングと海外合宿をそれぞれ1度ずつ実施する予定だ。海外合宿を実施する国はスペイン、ドイツ、イギリスとなっている。
ユースレベルでは、体格の違いによって上半期出生者(当該年1~6月生まれ)の選手を中心にチームが構成されがちだ。そのため潜在能力の高い同年齢の後半期出生者たちが、少し身体の成長が遅れているだけで、国際大会等の代表チームに選抜される機会を逸してしまう。
KFAは後半期出生者の中から有望な選手を積極的に発掘し、彼らに国際経験を提供すべく、フューチャーチームの制度を施行する。
男子フューチャーチームはあらゆる基準によって選手を選抜する。選抜基準は以下の通りだ。
・KFAゴールデンエイジの4つの段階別センター(地域→地域広域→合同広域→KFAセンター)中、地域広域以上の選抜者
・年齢別に7月以降の出生者を対象に
・KFA専任指導者の優秀選手評価
・早期成長(Early Mature)・平均(Normal Mature)・満期成長(Late Mature)の有無を評価できるPHV(Peak Height Velocity)技法を使用
このようなさまざまな基準によって、1次目に選抜された選手を対象に国内招集トレーニングを進行。その中でも優秀な選手を、海外に派遣するフューチャーチームとして最終的に選抜する。
女子フューチャーチームは狭い選手プールにより、KFAに登録されている該当年齢別の7月以降に出生した選手全員を招集し、トレーニングを行う。
その後、KFA専任指導者の評価を通じて、海外に派遣するフューチャーチームを最終的に選抜する。
ホン・ミョンボ専務とKFA技術パート実務陣は、昨年初めにクロアチアやベルギー、ドイツを順に訪問し、欧州の優秀なユースシステムを研究した。そして、その研究を基に政策報告会でフューチャーチームの運営計画を発表した。
ベルギーはフューチャーチーム運営を通じ、現在レアル・マドリードの守護神であるティボー・クルトワ(27)を輩出した。
クルトワはU-15代表時代、同年代のキーパーに比べ背が10cm以上も低かったが、フューチャーチームに所属できたことで着実に大会経験を積んだ。そして今では、A代表でも主力キーパーとして活躍するほどに成長した。
ホン・ミョンボ専務は「フューチャーチームの運営は、短期的な成果よりも長期的な観点で選手を育成するという哲学が基本となっている」と語った。
また、「ベルギーの事例を我々の実状に合わせて補完し、韓国型フューチャーチームの育成策を作っていきたい」と展望を明かした。
チェ・ヨンジュン室長は「今回のプロジェクトでは文化体育部から積極的な支援を受けた。今後も関係機関と協議し、韓国サッカーの有望株を育成する機会を増やしていきたい」と話した。
長期的な育成計画をスタートさせた韓国サッカー界。数年後には、“韓国型フューチャーチーム”から世界に活躍する選手が輩出されるかもしれない。
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