韓国サッカー協会がスポーツ推薦制度改善に取り組む…チーム実績から“個人能力”重視へ

2020年02月10日 サッカー
このエントリーをはてなブックマークに追加

韓国サッカー協会(KFA)が2月6日、韓国における大学のスポーツ推薦制度であるスポーツ特技者の大学入試改善のため、“チーム成績証明書”の発行を段階的に廃止すると明かした。

【写真】韓国サッカーの歴代“応援美女”を一挙紹介!

KFAは2020年から、高校サッカーリーグである高等リーグで“チーム成績証明書”の発行を廃止し、個人実績証明書のみを発行する。2020年度入学の高校1年生が3年生になる2022年からは、すべての全国大会で“チーム成績証明書”が廃止となる。

政策の実効性を確保すべく、KFAは韓国大学スポーツ協議会(KUSF)と提携。公正で体系的にスポーツ特技者を選抜すべく大学入試制度の改善案を議論した。今後、大学入試時に反映される個人成績の比率を、段階的に高める計画だ。

(画像=韓国大学スポーツ協議会)

“チーム成績証明書”が廃止される代わりに、個人のサッカースキルを評価する客観的な指標を“個人実績証明書”に記載する計画も立てている。現行の“個人実績証明書”では、試合数や出場時間、入賞実績しか表記されていない。

今後、データ収集のために映像分析システムも導入される予定だ。今年は試験運営期間として、高等リーグ実施の際に一部の競技場でカメラを設置し、走行距離やパス成功率、インターセプトやクロスの回数などを測定。試合別に選手のデータを管理する。

(写真提供=韓国サッカー協会)2019年の全国高校サッカー選手権大会

2021年には高等リーグが行われる9割の競技場でカメラを設置し、2022年にはすべての競技場にカメラを設けるという。

競技力の向上を図るべく、収拾された分析データは選手に提供される。また、累積されたデータと映像は、スポーツ特技者選抜を行う大学にも提供される。

“チームの実績重視”から“個人の能力重視”へ

KFAは現場の意見を反映すべく、昨年に高校及び大学のサッカー指導者を招待した懇談会を2度開催。約300人の指導者を対象に、現行の大学入試に対する認識調査も行った。

調査の結果、チーム成績重視の特技者入試制度に対し85%の指導者が変化の必要性を訴えた。“チーム成績証明書”廃止など、今回推進される政策の効果については、55.9%の指導者が「改善されるだろう」と答えた。

KFAのホン・ミョンボ専務は「既存の入試制度は所属チームの入賞実績に対する依存度が高く、個人の能力ではなく所属チームの成績によって入試結果が決まっていた」と、従来の入試制度の問題点を語った。

ホン・ミョンボ専務

そして、「個人スキルが優秀な選手や潜在力を秘めた選手が正しく評価されるよう、制度改善を推し進めた」と経緯を明らかにした。

KFAの段階的な“チーム成績証明書”廃止に伴い、KUSFは各大学に入試選考の時点で今回の改善内容を反映するよう、積極的な勧告を行った。

KFAとKUSFは大学別のスポーツ特技者の選抜過程で個人実績が反映されるよう、協力関係強化を図る。今後のスポーツ特技者選抜時には、個人実績に対する客観的な評価基準を設け、チーム成績(順位)など実績を重視されてきた既存の入試制度を改善していく。

韓国サッカーの発展のため、KFAは客観的で公正な入試選抜基準の定着を目指す。

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

PHOTO写真

TOPIC「Netflix韓流トリオ」特集