元韓国代表キ・ソンヨンの“Kリーグ復帰の動き”が、これほど話題になる理由

2020年02月07日 サッカー #Kリーグ
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元韓国代表キ・ソンヨン(31)のKリーグ復帰の可能性に、韓国サッカー界が沸いている。

特定のクラブを超え、Kリーグ全体にとっても大きな好材料になる出来事だからだ。

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ここ最近の報道を通じて明らかになった全北現代のキ・ソンヨン獲得の動きは、前例のない“ホットイシュー”となり、オン・オフラインで話題になっている。

キ・ソンヨンの名前はポータルサイトのリアルタイム検索ワードに上がり、あまりKリーグの移籍ニュースに関心を示さない地上波ニュース番組でも報じられた。サッカーコミュニティには、普段と比較できないほど関連記事があふれている。

キ・ソンヨンという韓国サッカーのアイコンの波及力がどれだけのものか、短時間で明確に確認できる反応だった。

問題はFCソウルへの“違約金”か

今回の“爆弾”は、全北現代から始まった。去る1月にFCソウルがキ・ソンヨンとの交渉で結果を出せないでいると、全北現代がキ・ソンヨンの新たな移籍先として浮上した。

キ・ソンヨン

全北現代は「20億ウォン(約2億円)+α」という過去最高の待遇を約束しながら、キ・ソンヨンの心をつかんだ。FCソウルとの交渉決裂で心境が複雑だったキ・ソンヨンも、全北現代の誠意に好感を表わし、契約が一気に前進した。

問題は、キ・ソンヨン側がFCソウルに支払わなければならない一種の違約金があるという点だ。

キ・ソンヨンは2009年にFCソウルを離れ、スコットランドのセルティックに移籍した。当時、FCソウルはキ・ソンヨンが「FCソウル以外のKリーグクラブに移籍する場合、一定水準以上の違約金を払わなければならない」という条項を挿入したという。

違約金の金額は、全北現代のような大きなクラブでも負担を感じるレベルとされている。事実上の移籍金が発生するレベルの金額で、その違約金をすべて納めることに全北現代は難色を示している。

FCソウルもそうだが、全北現代もアジアサッカー連盟チャンピオンズリーグ(ACL)のエントリーを終えた現在、ACLに出場できないキ・ソンヨンのために莫大な金額を投資することは負担と感じざるを得ない。

Kリーグ復帰のためには、解決すべき難関があるということだ。

FCソウルを無視できない全北現代

もちろん全北現代は違約金と関係なく、契約を行うこともできる。キ・ソンヨンの前所属チームはFCソウルではなく、最近契約を解除したニューカッスル・ユナイテッドだ。

キ・ソンヨンはフリー(FA)の身分であるため、全北現代は既存FA選手と同じように迎え入れの手順を踏めばいい。違約金の問題を解決しなくても獲得は可能だ。ひとまず獲得し、その後に訴訟となっても、契約とプロサッカー連盟の登録には問題が生じない。

ただ全北現代は、Kリーグで共生するFCソウルとの関係を考慮して、無理に移籍を推進させないという立場だ。代わりに違約金の負担を最大限になくしたうえで、契約手続きに入るという内部方針を立てた。

キ・ソンヨンは韓国代表キャプテンを務めたことも

全北現代よりも先に交渉テーブルについたFCソウルは、キ・ソンヨン獲得の意志を表わし、Kリーグの他クラブに渡せないという意味をしっかりと伝えた。

そうなると、残された方法は1つだけだ。1月は失敗に終わったものの、再びキ・ソンヨンの気持ちを動かして、全北現代との獲得競争に勝利することだ。

キ・ソンヨンはFCソウルで成長し、韓国最高のスター選手となってヨーロッパ進出を果たした選手だ。フランチャイズスターであるキ・ソンヨンの復帰が実現すれば、FCソウルは戦力をアップさせるだけではなく、ビッグネーム獲得で興行にも勢いがつく。

キ・ソンヨンの復帰は「Kリーグ発展の起爆剤になる」

全北現代であろうとFCソウルであろうと、キ・ソンヨンのKリーグ復帰は驚異的な好材料となることは間違いない。

獲得に成功したクラブはもちろん、Kリーグ全体にも肯定的な影響を与えるものと見られる。

とあるクラブ関係者は「成績だけを考えると他のクラブも心配しているが、興行の面から考えると、すべてのチームが歓迎するだろう」と話す。

そして「キ・ソンヨンがプレーするとなれば、明らかに他のクラブのサッカーファンも大きな関心を見せる。実際に全北現代のようなクラブと対戦すると、観客動員数が増える。キ・ソンヨン復帰の効果は、すべてのクラブが享受することだろう」と期待感を表わした。

DGB大邱銀行パーク。Kリーグは2019年、観客数が大幅に増加した

別のサッカー関係者も「キ・ソンヨンの復帰は無条件に良いことだ。プロサッカーの発展の大きな起爆剤になる。韓国代表からは引退したものの、キ・ソンヨンは一般的に知られる数少ないサッカー選手だ。Kリーグの認知度上昇に大きく貢献するだろう」と歓迎した。

Kリーグは、2018年のジャカルタ・アジア大会をきっかけに、興行面で上昇気流に乗っている。最近は新型コロナウイルスの影響で興行に赤信号が点灯しているが、キ・ソンヨンの復帰が新たな飛躍のきっかけになる可能性は高い。

逆に万が一、キ・ソンヨンがKリーグではなく海外リーグに行った場合、全北現代やFCソウルだけでなく、Kリーグ全体にとっても残念な状況が発生することになる。キ・ソンヨンに対して、中国の一部のクラブが関心を見せていることも知られている。

大きく話題になっただけで、結局Kリーグに復帰しない可能性も残っている。Kリーグの立場としては、考えたくない可能性だ。

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