自由契約のキ・ソンヨン、Kリーグ復帰の障害となる「違約金」とは?

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キ・ソンヨンの獲得を望むKリーグの全北現代(チョンブク・ヒョンデ)が、思いがけない問題に直面した。

全北のベク・スングォン団長は2月5日、『スポーツソウル』との電話取材で、「キ・ソンヨンのエージェントのほうから提案があった。キ・ソンヨンほどの選手なら、我々も獲得に関心を示すのは当然だ。しかしFCソウル側に支払わなければならない違約金が思ったより大きいことがわかった。我々の立場から見ても、相当な負担になる大きな金額だ。“獲得が可能だ"と言えるほど交渉が進んだわけではない。状況を見守らなければならないようだ」と話した。

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全北は最近、プレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドと契約解除したキ・ソンヨンの獲得に関心を見せていた。

キ・ソンヨンはまだ30代前半であり、今季は多くの試合に出場できずにいるが、技量に疑いの余地がない。スター性と実力の両面を兼ね備えており、高い年俸を払っても惜しくない選手だ。

全北はKリーグの他クラブに比べても資金の余裕があり、冬の移籍市場でエースのロペスを中国の上海上港に移籍させて600万ドル(推定値、約6億6000万円)の移籍料も確保した。キ・ソンヨンを獲得すめるための資金を備えているわけだ。

実際、獲得交渉に入り、移籍過程を踏んでいる。

問題はキ・ソンヨンとFCソウルの契約関係だ。

キ・ソンヨンは2009年にFCソウルを離れ、スコットランドのセルティックに移籍した。当時、FCソウルはキ・ソンヨンが「ソウル以外のKリーグのクラブに移籍する場合、一定水準以上の違約金を払わなければならない」という条項を挿入したという。

FCソウルはかつて、チーム名を安養(アニャン)LGとしていた時代にも似たような事例を作ったことがある。

1991年にソ・ジョンウォンと契約するとき、選手が海外に移籍する場合、移籍料の半分を選手に渡すものの、韓国に戻るときは安養LGに復帰するという条件をつけた。

ソ・ジョンウォンは1997年にフランスのストラスブールに移籍。その2年後に安養ではなく、水原三星(スウォン・サムスン)に入団した。

安養は、ソ・ジョンウォンが移籍したときに受け取った移籍料の半分の金額である50万ドルを返してほしいと要求した。結局、安養は移籍金返還訴訟まで行い、ソ・ジョンウォン側は3億ウォン(約3000万円)を弁償した。

キ・ソンヨンの現状も類似のケースと見られる。

FCソウルの関係者は「私たちもキ・ソンヨン獲得への意志がある」という立場を明らかにしつつ、2009年に結んだ契約条件については具体的な答弁をしなかった。

キ・ソンヨン

ペク団長の言葉が事実なら、全北の立場としてはFCソウルに支払わなければならない違約金を負担に感じるしかない。

全北はすでにキ・ソンヨンの年俸として“20億ウォン+α”を策定した。Kリーグ最高水準の待遇を用意しているなか、追加で違約金まで払う決定を下すのは容易ではない。

さらに、今季ACLのグループリーグ、16強戦の選手登録は2月5日に締め切られる。事実上、キ・ソンヨンは再登録が可能な準々決勝まではACLに出場できない。違約金を払ってまでキ・ソンヨンを迎え入れても、その活用には制限がある。

ただ、全北はキ・ソンヨンとFCソウルとの契約とは別に、獲得交渉を進めることができる。

キ・ソンヨンは前所属のニューカッスルと契約を解除したため、厳然たるFA選手だ。移籍金は発生しないだけに、他のFA選手の迎え入れと同じ手続きを踏めば契約が可能だ。

全北が違約金を全部、もしくは一部支払うことができ、キ・ソンヨンとFCソウルが問題を解決することも、もう一つの方法だ。法的紛争に発展させることもできるが、それも全北とキ・ソンヨンの契約には影響を及ぼさない。

韓国プロサッカー連盟の関係者は、「今の状況で全北がキ・ソンヨンを獲得するのに障害はない。契約の件についてはキ・ソンヨンとFCソウルが問題を解決すればいい」と明らかにした。

実際、最近は某クラブと某選手が同じ状況に置かれたが、連盟は某選手の他クラブ登録を問題なく進めている。

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