大田シチズンはスペイン、安山グリナスはトルコ、全南ドラゴンズはベトナム、水原三星はUAEなどとさまざまだが、最も多いのは東南アジアのタイだ。
昨年は宮崎でもキャンプを実施した蔚山現代など、Kリーグ1の12クラブ中7クラブ、Kリーグ2の10クラブ中6クラブがチェンマイ、チョンブリー、バンコク、ブリラムでキャンプを実施している。
「経費面で日本よりも安くて気候も温かく、練習環境も良くなっていること」がタイ人気の理由のようだが、予期せぬアクシデントで変更を余儀されているクラブもある。
例えば江原FCだ。
タイでの1次合宿を終えて1月27日に帰国した江原FCは、2月2日から中国・広州での2次キャンプを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で急遽、中国での2次キャンプを中止することを決めた。
また、1月6日から中国の昆明で1次キャンプ中だった大邱FCも、選手たちの健康面区を考慮し予定を切り上げている。当初は昆明から上海に移動して2月13日まで中国でキャンプを行う予定だったが、帰国の準備を進めている。
体力トレーニング中心の第1次キャンプもさることながら、練習試合など実戦重視の第2次キャンプの変更を余儀なくされてしまったのだから、頭が痛いところだろう。
ちなみにサムスン・ライオンズを除いたKBOリーグの各球団は、アメリカやオーストラリアで第1次キャンプを行うものの、斗山ベアーズ(宮崎・2月23日~3月8日)、LGツインズ(沖縄・2月26日~3月)など、第2次キャンプを日本で行う球団もある。
Kリーグでも現時点では全北現代、水原三星、蔚山現代が2次キャンプの予定を明らかにしていないだけに、FCソウルのように短期間でも実戦練習の相手を求めて日本に来るクラブもあるかもしれないが、はたして。
いずれにしても日本製品不買運動に新型コロナウイルス問題などで、例年とは異なりドタバタが多い韓国スポーツ界のキャンプ・シーズン。肝心のシーズンに悪影響を及ばさなければいいのだが。
(文=慎 武宏)