名目や知名度よりも、競技力が重要だということを証明した優勝だ。
キム・ハクボム監督が率いたU-23韓国代表は、アジアサッカー連盟(AFC)U-23選手権を6勝全勝で優勝した。韓国サッカー史上、初の快挙だ。
去る1月9日のグループリーグ第1戦(中国)を行うときまで、U-23韓国がこれほど大きな成果を出すとは誰も思わなかった。今大会は、2020東京五輪のアジア予選を兼ねていたため、オリンピック出場権を獲得できるかどうかだけが注目されていた。
同じグループCには中国、イラン、ウズベキスタンなど難敵が揃っていたため、“死の組”と呼ばれ、韓国の苦戦が予想された。また今大会を控えて、欧州組のイ・ガンインとペク・スンホが招集できなかったこともあり、韓国を心配する声は少なくなかった。
しかしU-23韓国は、全勝で優勝まで駆け上がった。大方の予想とは異なり、最高の成果を得ることができたのは、キム・ハクボム監督の“用兵術”がぴたりとハマったからだ。
キム監督は第1戦(中国戦)を行った後、先発メンバーを7人も変えて第2戦(イラン)に臨み、大幅なローテーションを稼動した。
決勝に上がるまで、先発メンバーを大きな幅(7人→6人→8人→5人→3人)で変更し、相手の混乱を引き起こし、ゴールキーパーを除く10人を固定することなく起用する用兵術を見せた。
何よりもU-23選手権優勝という今回の結果は、知名度や名目よりも競技力が重要だということを端的に示した。
イ・ガンインとペク・スンホが合流できなかったU-23韓国には、唯一の欧州組チョン・ウヨン(フライブルク)が加わった。彼を中心にU-23韓国の攻撃が組み立てられると期待されたが、チョン・ウヨンが今大会に記録した攻撃ポイント(ゴール+アシスト)は「0」だ。
4試合に出場してシュート2本(枠内シュート1本)を放っただけという、期待以下の姿を見せた。
今回の大会で明確な実力を見せてくれたのは、所属チームで着実に試合経験を積んだ選手たちだった。
イ・ドンギョン(蔚山現代、2ゴール1アシスト)、イ・ドンジュン(釜山アイパーク、2ゴール)、チョ・ギュソン(FC安養、2ゴール)、オ・セフン(牙山ムグンファ、今季から尚州尚武、2ゴール)など、いずれも所属チームで主軸として活躍している選手たちだ。
Kリーグで実力を積んだ選手がキム監督とシナジーを起こしながら、優勝まで成し遂げた。
つまり国際大会では、知名度や名目よりも、所属チームで着実に試合に出場し、実力を伸ばしてきた選手のほうが重要であることを証明した結果だ。これにより、来る7月に開かれる2020東京五輪本選の代表メンバーに誰が入るのかと、関心が高まっている。
オリンピックの選手エントリーは18人と制限されており、さらに3枠のワイルドカードも与えられる。今大会の優勝メンバーが全員、オリンピックに行けるわけではないのだ。
キム・ハクボム監督が知名度よりも競技力を優先で選手を選ぶのか、注目される。
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