オリンピックやワールドカップを経験したベテランDFキム・チャンス(34)が、2019年シーズンのKリーグ2(2部)で優勝し、3年ぶりのKリーグ1(1部)復帰を果たした光州FCで、新たなチャレンジをする。
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キム・チャンスは「意外という視線があった。僕も、まさか光州に加入するとは思わなかった」と口を開いた。
キム・チャンスは2004年に蔚山現代FCに加入後、釜山アイパークや全北現代モータースなどKリーグ有数のクラブでプレー。2013年から2015年にかけては柏レイソルでプレーし、3シーズンで69試合に出場した。
2017年に古巣の蔚山現代に復帰後、2019年シーズン終了後に退団したキム・チャンス。そんな彼が市民クラブの光州FCに移籍したのだから、韓国内で「意外な決定だ」との声が上がるのも当然だろう。
キム・チャンスが光州FC加入を決めたのは、現役時代ともに呼吸を合わせたパク・ジンソプ監督からの熱烈なオファーが大きい。
昨シーズン終了後に蔚山現代との契約期間が満了し、次の加入先を探している最中にパク監督からの電話があった。「一緒にやろう」というパク監督の誘いを受け、キム・チャンスは一日中悩んだ後、光州FCへの加入を決めた。
キム・チャンスは「監督が選手の頃は“先輩”や“兄さん”と呼んでいたが、今はもう状況が違う。監督と選手という関係なのだから、僕がもっと頑張らなければならない」と話す。
34歳のキム・チャンスは光州FCで年長の部類に入る。新加入選手ではあるが、ベテランの経験は若い選手の多い光州FCにとって大きな財産となるだろう。
「このチームにはもうキャプテンがいる。僕が前に出る必要はない」と笑った彼は、「チームが苦しいときや、僕を必要とするときに助けになりたい。グラウンドの内外で力になれる先輩でありたい」と明かした。
現役生活も晩年に差し掛かっているキム・チャンス。20代の頃に北京五輪やロンドン五輪、ブラジルW杯を経験し、韓国を代表するDFと呼ばれた男も、30代以降は徐々に下り坂を歩み始めている。
「これまでずっと素晴らしいチームに恵まれていたが、今は負傷もあって下り坂の段階に来ている。空白を埋めてみせたい。残された時間を充実させたい」とキム・チャンスは話す。
「もう怪我はせず、ただサッカーを楽しみたい。これまでは負傷のストレスで苦しんだときもあった。サッカーをしながら、幸せなことがたくさん起きたら良いだろう」と、今後について語った。
「現役生活は、もう後半35分頃を過ぎているかのようだ」と話すキム・チャンスは、「(イ・)ドングッ先輩や(ヨム・)ギフン先輩のように、今でも現役で活躍する先輩方は多い。けど、先輩方と比較されたくはない。長く居座り続けるより、最善のプレーをできなくなったときは未練なくピッチを去りたい」と、引退のタイミングを示唆した。
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