中国戦の決勝ゴールとイラン戦の先制ゴールを決めたイ・ドンジュンは、釜山アイパークのKリーグ2優勝(今季からKリーグ1に昇格)の立役者にして昨季のKリーグ2MVPであるし、イラン戦とヨルダン戦でゴールを決めたチョ・ギュソンはFC安養(アニャン)所属だ。
ウズベキスタン戦で2ゴールのオ・セフンは昨季まで牙山ムグンファに属し(今季から尚州尚武)、ヨルダン戦で値千金の決勝FKを決めたイ・ドンギョンさえも2018年は安養に籍を置いていた。
今大会に招集された23人中、Kリーグ2経験者は8人。これに昨季までV・ファーレン長崎に所属したイ・サンミン(蔚山現代)や、アビスパ福岡で2年半プレーしたウォン・ドゥジェ(蔚山現代)など日本のJ2経験者も含めると、10人が2部リーグ育ちの選手なのである。
ただ、同じ2部リーグでも日本と韓国では差がある。
日本のJ2は1999年に始まったが、韓国で2部リーグがスタートしたのは2013年(当初はKリーグ・チャレンジという名称だった)。昨季で7シーズン目を終えたが、クラブ数は10チームにしかならない。
観客数も少ない。
2019年度のKリーグ1(1部リーグ)も1試合平均観客数が8013人と1万人に届かなかったが、K2はそれよりもさらに低い2794人。1万人を超える試合もあることにはあるが、最低が242人にしかならなかった試合(10月2日の全南ドラゴンズ対水原FC)もあるほどだ。
そんな不人気なKリーグ2を経験した若者たちが、東京五輪の出場権を韓国にもたらしたのだから痛快だろう。本紙『スポーツソウル』でも「2部リーガーたちの反乱」だと、彼らの成長と活躍を称えている。
いずれにしても今回の予選突破で9大会連続のオリンピック出場を決めた韓国。
最近、ナイキ・コリアと12年・2400億ウォン(約240億円)の大型契約を締結し、今年の春には新ユニホームが発表される予定。デザイン一新されたユニホームに袖を通して臨む東京五輪では、どんな戦いぶりを見せるだろうか。
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今後はオーバーエイジ枠の人選や前出した欧州組の招集問題などが話題になりそうだが、引き続きその動向を注視していきたい。
(文=慎 武宏)