北京五輪の“優勝神話”を受け継ぐ韓国球界の次世代の主役は誰になるだろうか。
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東京五輪への期待と心配が注がれる野球韓国代表だが、五輪連覇のためには若い選手の存在が何よりも必要である。2008年北京五輪では予選リーグと決勝トーナメントを合わせ9戦全勝で金メダルを獲得した“優勝神話”を築いただけに、果たすべき目標も明確だ。
幸いにも、将来を担う心強い逸材がそろっている。韓国野球界をけん引した主力選手たちが第一線から退き、過渡期にあった韓国プロ野球で、世代交代の狼煙を上げた有望株らは順調に成長を遂げた。
直近の国際大会であるプレミア12が、韓国野球の世代交代を証明するバロメーターとなった。
プレミア12に出場したメンバーのうち、1986年生まれのパク・ビョンホが最年長者であることでもわかる通り、野球韓国代表はその平均年齢を大幅に下げた。
ハ・ジェフン(29歳・SKワイバーンズ)やイ・ヨンハ(22歳・斗山ベアーズ)、ムン・ギョンチャン(27歳・KIAタイガース)、カン・ベクホ(20歳・KTウィズ)らは初めて代表に選ばれた。
また、2018年ジャカルタ・アジア大会で主力を担ったイ・ジョンフ(21歳)やキム・ハソン(24歳・以上、キウム・ヒーローズ)、パク・ミヌ(26歳・NCダイノス)たちも、再び代表選出の栄光を得た。
ベテランの不在による影響もあったが、若手の活躍は優勝よりも十分に大きな意味をもたらした。
イ・ジョンフは全試合に出場して打率0.384を記録し、リードオフマンとしてはもちろん、中軸打者として毎打席で能力を見せつけた。プレミア12優勝国の日本でさえ、東京五輪で最も警戒すべき選手の1人にイ・ジョンフを選んだほどだ。
ポテンシャルのある投手陣も、プレミア12を通じて東京五輪向けたリハーサルを終えた。
キム・グァンヒョン(31歳・セントルイス・カージナルス)やリュ・ヒョンジン(32歳・トロント・ブルージェイズ)が抜けることになるだろう代表のマウンドには、ヤン・ヒョンジョン(31歳・KIA)を軸にイ・ヨンハやムン・ギョンチャン、イ・スンホ(20歳・キウム)ら期待のルーキーたちがバトンを受け継いだ。
特にイ・ヨンハは代表の投手陣でも最多の5試合に登板し、防御率1.08(8.1イニング1失点)を記録した。イ・ヨンハは「根気強く継続していきたい。1度やってみて、さらに上を目指したい欲が生まれた」と、代表への情熱を隠すことなく明かした。
若手の台頭は外的な部分にもポジティブな作用をもたらす。プレミア12でのトレーニングでは、選手間で自然なコミュニケーションが多数見られた。チーム内では平等な関係性が築かれ、活発な雰囲気を生み出した。
実力のある若手がチームに上手く溶け込んだことで、“歴代最大級のチームワーク”と評価されていた。野球は雰囲気や試合の流れで展開が左右するスポーツなだけに、若手の合流により期待するのは当然だろう。
プレミア12で世代交代に成功した野球韓国代表の下準備は整った。ファンや国民たちが期待する“最高のフィナーレ”は、東京五輪で2連覇を狙う次世代のスーパースターたちにかかっている。
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