韓国プロ野球40年で“尊敬される選手”はいない…元巨人イ・スンヨプが唯一の候補か

このエントリーをはてなブックマークに追加

韓国KBOリーグが39年目のシーズンを控えている。

人の年齢でいえば、来年は40歳になる。これまで浮き沈みはあったが、プロ野球は韓国最高の人気スポーツに成長した。

この間、多くのスター選手が登場し、グラウンドでは新しい歴史が次々と作られていった。

【関連】年始から韓国プロ野球界で相次ぐ事件…遠すぎる“クリーンベースボール”への道のり

最近になってプロ野球の人気低下が現実化し、危機に直面したとの見方もある。ただそれでも韓国プロ野球は、2020東京五輪をきっかけに復活を期待されている。

だが40年近い韓国プロ野球の歴史には、惜しい点が別にある。現役選手や元選手に、人々から深い尊敬を受けている人物が1人でもいるのかという疑問だ。

選手として野球史に残る記録や名場面を残した人物は、たくさん思い浮かぶ。しかし“尊敬に値する選手”に限定すると、思い浮かばない。

2019年ゴールデングラブ賞授賞式

享受する人気ほど、社会に対する活動が行われていないからだ。ファンからの愛情を超え、尊敬を受けるためには社会的貢献が必須だ。野球だけ上手くても、絶対に到達できない領域である。

メジャーリーグの場合

100年を超える歴史を持つメジャーリーグに目を向けると、ロベルト・クレメンテをはじめ、尊敬を一身に受ける選手がかなりいる。

クレメンテはメジャー最初のラテン系選手として何度も首位打者に輝くなど、バッターとしても歴史を作った。しかし何よりも模範的なボランティア活動によって、大きな尊敬を集めた。

クレメンテ自身の善行があってのことだが、メジャーリーグ事務局も支援を惜しまなかった。メジャーリーグ事務局は彼の死後、「ロベルト・クレメンテ賞」を作り、社会貢献に尽力した選手たちを励ましている。

KBOもそういった努力をしていないわけではない。

KBOの関係者は「選手や監督の美談をよく知らせるツールが必要だ」と、戦略的な対応を推進した。例えば、中日ドラゴンズでもプレーしたソン・ドンヨル監督も対象の1人だった。しかしソン監督は韓国代表監督を退き、足踏みとなった。

元巨人イ・スンヨプへの期待

元読売ジャイアンツのイ・スンヨプが現在、KBO広報大使として活動していることも、その延長線上にある。

イ・スンヨプ(右)

KBO関係者は「尊敬される選手は一日二日では出てこない」と、イ・スンヨプ大使の社会貢献活動を重要視していることを明らかにした。

イ・スンヨプは現役引退後、奨学財団を設立して各種後援を行っている。少年野球にも力を入れており、ユネスコと手を握って国際的にも活発に活動している。それでも現役時代、“国民打者”と呼ばれたほどのインパクトはまだ残せていない。

野球人の価値が高まれば、プロ野球全体の価値も一緒に上昇する。40年を目前としている韓国プロ野球界にも、社会的な模範となる人物が出現してもおかしくない時期だ。そんな人物がいつ現れるか、期待したい。

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

PHOTO写真

TOPIC「Netflix韓流トリオ」特集