2019年Kリーグ総括…“長身ストライカーブーム”の継続と「万能型アタッカー」の躍進

2019年12月07日 サッカー #Kリーグ
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昨季Kリーグで猛威を振るった“長身ストライカーブーム”が、2019年シーズンも続いた。今季はエジガル(大邱FC)、アレクサンダル・ペシッチ(FCソウル)、イルジャツェンコ(Iljutcenko、浦項スティラーズ)などがバトンを受け継いだ。

また今季、長身ストライカーと同じく注目を集めたのは、ゴールもアシストも狙える“万能型アタッカー”だ。 Kリーグ1で1シーズンに10ゴール10アシストを達成した選手が2人も現れ、多方面で実力を備えたアタッカーが脚光を浴びた。

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冷めないKリーグの長身ストライカーブーム

Kリーグにおける長身ストライカーの活躍は、昨シーズンから始まった。Kリーグ1でシーズンを通して得点王争いを繰り広げたマルコス(河北華夏幸福、196㎝)とウロシュ・デリッチ(慶南FC 、195㎝)が、長身ストライカー時代を切り開いた。

彼らはシーズン序盤からゴールゲッターとして注目されながら、長身ストライカーの固定観念を覆した。以前まで長身アタッカーといえば、高い背を生かした空中戦が重視されたが、最近ではイメージが変化した。彼らのような長身ストライカーは、ヘディングだけでなく足技も優れており、ターゲット型FWとしての利用価値が高い。

今シーズン序盤はエジガル(191㎝)、ペシッチ(190㎝)をはじめ、全北現代でプレーしていたキム・シンウク(196㎝)など190㎝台の長身ストライカーが得点ランキング上位を占めた。

アレクサンダル・ペシッチ(FCソウル)

彼らは高い身長によるスピード不足をゴール感覚でカバーしているという評価を受け、Kリーグ最高のアタッカーとして注目された。

長身ストライカーがKリーグで成功街道を走ると、ベンチマークするクラブも増えた。浦項はドイツ出身のイルジャツェンコ(189㎝)、済州FCはナイジェリア出身のクリスティアン・オサグナ(194㎝)、仁川ユナイテッドはオランレワジュー・ケヒンデ(195㎝)を夏の移籍市場を通じて獲得し、攻撃陣の変化を試みた。

結果的に、浦項と仁川は長身ストライカーがチームの大きな助けになった。イルジャツェンコはリーグ18試合で9ゴール2アシストを記録して、浦項の上位リーグ進出に貢献。ケヒンデはわずか1ゴールにとどまったが、決定的な瞬間に活躍を見せながらチームの1部残留を導いた。

サッカーで高い身長は強力な武器になる。長身ストライカーがピッチにいるだけでも、相手守備陣はプレッシャーを感じざるを得ない。多くの利点を持つ長身ストライカーブームは当分の間、Kリーグで冷めないように見える。

得点もアシストも可能な“万能型アタッカー”の全盛期

2019年シーズン、KリーグのMVPに選ばれたキム・ボギョン(蔚山現代)を筆頭に、今季10G10Aを達成したムン・ソンミン(全北現代)とセシーニャ(セザル・フェルナンド・シルバ・メロ、大邱)、そして浦項の上位進出を導いたワンデルソン(ヴァンデルソン・カルヴァーリョ・ジ・オリヴェイラ)が、代表的な万能型アタッカーとして評価されている。

何よりも、万能型の象徴といえる1シーズン10G10Aを記録したムン・ソンミン(10ゴール10アシスト)とセシーニャ(15ゴール10アシスト)が注目を集めた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ムン・ソンミン(全北現代)

2013年シーズンに1~2部リーグ体制となってから、1シーズンに2人の10G10Aが誕生したのは、今季が初めてだ。ワンアンデルソン(15ゴール9アシスト)とキム・ボギョン(13ゴール9アシスト)は、わずかにアシストが1足らず、10G10Aを達成できなかった。

1シーズン10G10Aは、万能型アタッカーを象徴する記録といえる。決定力はもちろん、貢献的なプレーまで求めなければ達成できない記録だからだ。そのため1シーズン10G10Aを達成することは、リーグで最高のアタッカーであることを証明することになる。

2013年から昨シーズンまでは、2015年に唯一リカルド・ロペス(全北現代)が達成したが、めったに出る記録ではない。

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