観客数が飛躍的に増加したKリーグ…要因は“過去最大の順位争い”と“新スタジアム効果”

2019年12月05日 サッカー #Kリーグ
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2019年シーズンのKリーグは観客数の飛躍的な増加によって興行の火種を育てる1年となった。

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今シーズンのKリーグ1は、昨シーズン比47%増の182万7061人(1試合平均8013人)のファンがスタジアムを訪れた。1~2部リーグ体制をとなった2013年シーズン以降、Kリーグで1試合当たりの平均観客数が8000人を超えたのは今季が初めてだ。

全北の優勝に終わった今シーズンのKリーグ1

韓国プロサッカー連盟は、今シーズン定めた平均7600人と合計170万人の目標をはるかに超えた結果に、国内リーグの人気を実感することとなった。Kリーグは昨シーズン、大幅な観客数減少(1試合平均5444人)によって危機が騒がれた。しかし、今シーズンはドラマチックなリーグ展開によって新たな可能性を見い出した。

Kリーグの興行にはさまざまな要因があると分析できる。

その要因として、最終節までもつれた“過去最大級の順位争い”が大きな要因といっていいだろう。また、新しく建てられたサッカー専用スタジアムとともに、好成績を挙げKリーグ“台風の目”となった大邱FCの人気さも欠かせない。

ファンを熱狂の渦に包んだ過去最大の順位争い

2019年シーズンのKリーグ1は、まさに“脚本のないドラマ”であった。

リーグ3連覇を狙う全北現代モータースと14年ぶりの戴冠に挑む蔚山現代FCは、序盤から2強体制で首位争いを繰り広げた。1-1のドローに終わった第37節の直接対決後、勝ち点3差で全北をリードした蔚山の優勝は、ほぼ確実であるとの見方が大半だった。

全北現代モータース

しかし、12月1日の最終節で劇的な逆転シナリオが完成し、全北が見事リーグ3連覇を達成した。

降格圏争いも、長くし烈な戦いとなった。開幕2カ月が経った今年5月から最下位圏に位置した慶南FC、済州ユナイテッドFC、仁川ユナイテッドFCの3チームは、甲乙つけがたい接戦を披露し残留争いを激化させた。

加えて、仁川を率いるユ・サンチョル監督がすい臓がんを患ったニュースも、ファンの降格圏争いへの関心を増幅させた。結果、その仁川が10位に滑り込んだことで降格を免れ、済州が最下位に沈んだことで2部降格が確定した。

仁川ユナイテッドFC

Kリーグはこれまで、10月以降になると観客数が減少する傾向にあった。その時期には順位が決定するチームが次々と現れ、ファイナル・ラウンドB(下位リーグ)の場合は興行要素も弱まり、自然とファンの関心も薄れていった。

今シーズンは最終節まで優勝チーム、来季ACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場チーム、1部残留チームが決まらない展開だっただけに、ファンも最後の最後までKリーグから目を離せないシーズンとして記憶に残ったことだろう。

Kリーグを揺るがせた大邱の“新スタジアム効果”

今シーズンの興行の中心には、大邱FCと新しいホームスタジアム「DGB大邱銀行パーク」があった。同スタジアムは収容人数1万2000人とKリーグ内でも小規模の部類に入るスタジアムだが、巨大な波及効果を及ぼした。

韓国サッカー界で「行ったことのないファンはいても、1度しか行かなかったファンはいない」という声が上がったように、同スタジアムはKリーグでも屈指の“観客に優しいスタジアム”として名乗りを上げた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)大観衆のDGB大邱銀行パーク

大邱は今シーズン、80%以上の観客動員率を維持し、ファンの愛情を受け続けた。特に、9度のチケット完売と1試合当たり平均1万人の観客動員を記録したことから、FCソウルや全北とならぶ“観客動員ビッグ3”に名を連ねる成果を挙げた。

DGB大邱銀行パークの興行を通じて、大邱はKリーグのイメージを変えてみせた。

以前までKリーグの試合は、当日にスタジアムへ行けば当然のようにチケットを購入できた。しかし大邱は、今シーズン開幕後4試合連続でチケット完売を記録し、今では予約をしないと試合を観られないという考えがファンに根付くようになった。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)多くのファンでにぎわうDGB大邱銀行パーク

爆発的な興行を見せた同スタジアムは、新スタジアム建設を計画する多くのKリーグ所属チームの判断基準となった。シーズン中にはKリーグ各チーム及び本拠地の地方自治体担当者が同スタジアムを訪れ、ケーススタディの実施も行った。

DGB大邱銀行パーク建設でサポートの役割を果たした大邱のチョ・グァンレ社長は、「新スタジアム建設を検討するチームや自治体に、我々のノウハウを惜しむことなく伝授する準備はできている」と語り、Kリーグで“第2のDGB大邱銀行パーク”登場を期待していた。

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