アメリカ本格参戦2年目の今季、コ・ジンヨンはメジャー2勝(ANAインスピレーション、エビアン選手権)を含めて今季4勝を飾り、賞金女王に輝いた。
このコ・ジンヨンのほかにも今季はキム・セヨン(3勝)、パク・ソンヒョン(2勝)、ホ・ミジョン(2勝) 、チ・ウンイ(1勝)、エイミー・ヤン(1勝)、ジャン・ハナ(1勝)、イ・ジョンウン6(1勝)などと、韓国勢が米国女子ツアー33試合中、15勝をあげた。
韓国ではアメリカで活躍する女子プロゴルファーたちを“太極娘子(テグッナンジャ)”と呼ぶが、「今年も米国女子ツアーは太極娘子の天下だった」(『スポーツソウル』)というしかない。
そして、その太極娘子たちの東京五輪出場権争いも激しい。
現在の世界ランキングで見ると、1位コ・ジンヨン、2位パク・ソンヒョン、6位キム・セヨン、8位イ・ジョンウン6が有力だ。
しかし、そのほかにも15位前後にはキム・ヒョージュ(13位)、パク・インビ(14位)、ユ・ソヨン(18位)、エイミー・ヤン(20位)、ホ・ミジョン(21位)などがおり、群雄割拠なのだ。
日本でも畑岡奈紗(5位)、渋野日向子(12位)、鈴木愛(17位)ら3人が世界ランク15位以内に入っていれば3人とも出場可能だが、韓国は15位以降にも実力者がゴロゴロ。「東京五輪でメダル獲得するよりも険しい韓国代表への道」(『スポーツソウル』)とされているほどだ。
冒頭で紹介した今年の「パク・インビ インビテーショナル」には、パク・インビや前出の韓国系選手に加え、コ・ジンニョン、イ・ジョンウン6、チ・ウンヒ、エイミー・ヤン、ホ・ミジョン、ユ・ソヨン、キム・ヒョージュ、シン・ジウンなどが出場した。
取材した『スポーツソウル』の記者によると、「さながら東京五輪代表候補たちの見本市のようだった」という。
ちなみに「パク・インビ インビテーショナル」では、チームLPGAをチームKLPGAが打ち負かした。
大会は1対1のマッチプレー形式で行われたのだが、前回紹介したKLPGA6冠王のチェ・ヘジンをはじめ、チョ・アヨンら“ミレニアム世代”も多く選ばれた平均年齢23.07歳のチームKLPGAが、平均26・85歳のチームLPGA相手に15-9で勝利を飾っている。
若さと勢いではKLPGAも、“太極娘子”たちには負けないということか。
いずれにしても韓国でも来年は東京五輪の出場権争いがひとつの注目ポイントとなる。そして、その競争を勝ち抜いた者はきっと日本勢にとっては強力なライバルとなって立ちはだかることだろう。
今や女子ゴルフ世界最強国となった韓国。来年の東京五輪でも手ごわい相手になりそうだ。
(文=慎 武宏)