11月24日、元Jリーガーのユ・サンチョル監督率いる仁川ユナイテッドは、Kリーグ1第37節、尚州尚武FC戦をホームで行い2-0と勝利を収めた。
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序盤から接戦が続くなか、仁川は途中出場したムン・チャンジンが後半30分に値千金の先制ゴールを決めると、後半43分にはこちらも途中出場のケヒンデが追加点を挙げ、尚武にとどめを刺した。
慶南FC(勝ち点32・11位)や済州ユナイテッドFC(勝ち点27・12位)と降格圏争いを繰り広げる仁川は、これでシーズン7勝目を記録し、勝ち点33の10位(7勝12分18敗)となった。
試合に臨むモチベーションが高かったのは、確実に仁川側であった。11月19日にクラブを通じて、すい臓がんを患っていることを公表したユ・サンチョル監督に、今シーズン最後のホーム戦で勝利をプレゼントしたかったためだ。
試合後、ユ監督は「グラウンドに早く復帰できるよう一日でも早く完治することが、多くの激励や応援に応える一番の道だと考えている」と述べた。
以下、ユ・サンチョル監督との一問一答。
◇
―試合の感想は?
前半終了後のハーフタイムでは多くのことを話し、こんなプレーではダメだと伝えた。ズルズルと下がっていたDFラインを引き上げ、敵陣ゴールに向かって攻撃をしなければならないと強調した。後半からはプレーが積極的になり、ラインも上がっていた。選手たちがピッチでしっかり期待に応えてくれた。
―ゴールした瞬間の気持ちは?
もともと私は座って指示を出すスタイルではない。選手たちは雨の中でも試合をしている。台風や大雨でもない程度なら、暖かくしていれば問題ない。後半から入ったムン・チャンジンとケヒンデはコンディションがとても良かった。どの時間帯に投入するか悩んだが、流れをこちらに引き寄せたかった。
ケヒンデのコンディションはここ3週間で悪くなく、期待していた。短い時間で得点してくれてうれしく思う。チャンジンのゴールももちろん嬉しいが、ケヒンデのゴールはもっと嬉しい。ファンが待ち望んだゴールだ。得点したことで、より自信を持てただろう。
―ホームで万歳三唱を初めて行った。
ずっとやるべきだったが(笑)。最後のホーム戦を勝利で締めくくり、ファンに素晴らしいプレゼントをできたことがとても誇らしい。
―Kリーグ全体から、ユ監督へ応援メッセージが届いている。
一人で見ると目頭が熱くなって胸がジーンとする。さまざまな思いが頭を巡り、感謝の気持ちしかない。絶対に諦めてはならないという思いも強くなった。私と同じように、病気と闘っている人は他にもいるはずだ。そのような方々にとって、少しでも希望を持てる存在になりたい。
―シーズン最終戦、アウェーでの慶南FC戦に向けて、どのような準備を進めているか。
最後の試合ですべてが決まる。ホームではなくアウェー戦ではあるが、選手たちはどんな逆境にも打ち勝たねばならない。冷静であり続けることが必要だ。我々は引き分けでも大丈夫だが、慶南は勝利しかない状況だ。油断せずに試合を展開してゴールを決められれば、十分に勝機はある。
―ファンに向けて一言。
多くのメッセージが力となっており、激励してくださる方々には本当に感謝を述べたい。私の状況をさまざまな媒体を通じて知っておられる方は多いはずだ。直接会場に訪れてくださるファンにも感謝したい。
グラウンドに早く復帰できるよう一日でも早く完治することが、多くの激励や応援に応える一番の道だと考えている。回復して、再びグラウンドに立てるようになることを約束する。
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