急成長を見せるeスポーツ市場で“宗主国”を自負する韓国に凋落の兆し。各大会で結果残せず

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全世界的にeスポーツへの投資が増えており、市場も拡大しているが、“eスポーツ宗主国”とも呼ばれてきた韓国eスポーツは徐々に衰退している。

グローバル市場調査会社Newzooの資料によると、2018年の全世界eスポーツ市場規模は1兆ウォン(約1000億円)で、前年比38%増と急成長した。

2019年には1兆2000億ウォン(約1200億円)に達すると推算されており、2022年には2兆ウォン(約2000億円)規模になると予想されるほど、成長が著しい。

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また2018年のジャカルタ・アジア大会でデモンストレーション競技に採用されてから、既存のスポーツを超える人気に全世界がeスポーツへの高い関心を見せている。

しかし、そんなeスポーツ市場で韓国が占める割合は、6%に過ぎないことがわかった。さらに残念なのは、韓国の市場規模はグローバルeスポーツ市場に占める割合がますます減っているということだ。2017年の調査資料で韓国は、7%台のシェアを持っていた。

市場シェアが少ないのは、人口構造の違いという点で仕方ない面もある。ただ最近は、世界中で活躍を見せていた韓国eスポーツ選手の能力が徐々に他国に押される雰囲気だ。 

「PCバン」(オンラインゲームを楽しむネットカフェ)を土台に成長した豊富な人的資源で、「サッカーにブラジルがあるように、eスポーツには韓国がある」という言葉が生まれるほど世界中の大会を席巻した韓国eスポーツの影響力は、すでに過去のものとなった。

直近ではヨーロッパで開かれた「2019リーグ・オブ・レジェンド World Championship」で、韓国のSKテレコムT1が4強進出にとどまり、2年連続で決勝進出に失敗した。2013~2017年の5年間、同大会で優勝し、eスポーツ最強国として君臨していた韓国の脅威は消え去ってしまった。

「2019リーグ・オブ・レジェンド World Championship」では、韓国のSKテレコムT1が決勝進出に失敗した

去る11月2日(現地時間)、米カリフォルニア州で開かれた「オーバーウォッチ・ワールドカップ2019」準決勝でも韓国はアメリカに1-3で敗れ、決勝進出に失敗した。韓国がオーバーウォッチ・ワールドカップの決勝に進出できなかったのは、今回が初めてだ。2016年以降、毎年オーバーウォッチ・ワールドカップで優勝を占めてきた最強国だった。

そんな韓国eスポーツの凋落の兆しは、昨年からすでに見られた。アジア大会のデモンストレーション競技に採択されたeスポーツ6種目のうち、メダルを獲得したのは2種目のみだ。しかも最も大きな期待が寄せられたリーグ・オブ・レジェンドで銀メダルを確保するにとどまった。

業界では「ほとんどが海外IP(Intellectual Property/知的財産)を中心に繰り広げられるeスポーツの大会で、韓国は大会運営、放送およびコンテンツの核心である選手の優れた技量で、グローバル市場におけるeスポーツ宗主国の役割を果たしてきた」としながらも、「しかしリーグ・オブ・レジェンドとオーバーウォッチなどの主要なeスポーツIPは、IP社が主導して大会を作って市場も開拓しており、韓国内の主要eスポーツ事業者たちは困難を経験している。さらに韓国の選手とコーチ陣がより高い年俸を提示する海外に流出しながら、実力でも差がなくなっている」と現状を分析した。

続いて「海外IP社に核心的な価値を渡し、選手たちさえ中国やアメリカなど比較的大きな市場に奪われ、韓国は選手を供給するだけの市場に転落しているのが今の現実だ」と指摘した。

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