プレミア12決勝、なぜ韓国の“日本キラー”は日韓戦に登板しなかったのだろうか

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“日本キラー”キム・グァンヒョン(31・SKワイバーンズ)は、なぜ日韓戦に登板しなかったのだろうか。

野球韓国代表は11月17日、東京ドームで行われたWBSCプレミア12決勝戦で日本に3-5で敗れ、大会連覇に失敗した。

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この日、韓国の先発投手ヤン・ヒョンジョンは3イニングを投げ、4被安打(1被本塁打)、3与四球、4失点で、早々にマウンドを降りた。投球数は75球であったが、ヤン・ヒョンジョンを不調と判断した韓国ベンチは、早い時点で投手交代を断行した。

予定通りであればヤン・ヒョンジョンの次ぎに登板する投手は、キム・グァンヒョンになる可能性が高かったが、イ・ヨンハが投入された。今回の韓国代表における必勝体制の一軸を担うイ・ヨンハがマウンドに上がること自体は、それほど不思議なことではない。

しかし、その時点で疑問も浮上した。現場にいたほとんどの関係者が、キム・グァンヒョンがマウンドを受け継ぐと期待していたため、イ・ヨンハ投入は予想外の選択とされた。

試合前、韓国を率いるキム・ギョンムン監督も「決勝戦はすべての投手が待機する」と総力戦を予告した。台湾戦では不振だったが、キム・グァンヒョンはヤン・ヒョンジョンと同じく韓国代表のエースである。登板しないわけがないと誰もが思った場面だ。

何よりも日本戦で良い記憶を持つ投手だった。逆転後、少しずつ燃え上がった日本の勢いを止めるためにもキム・グァンヒョンの登板が必要だったが、韓国ベンチはイ・ヨンハを選んだ。

キム・グァンヒョン

韓国野球委員会(KBO)関係者は、「今日(決勝戦)キム・グァンヒョンは登板しない」と明かした。KBOの説明通りであれば、キム・グァンヒョンの登板不発は、事前に合意されていたということだ。

試合前までキム監督をはじめとする選手たちから、キム・グァンヒョンが登板しないという話は出ておらず、疑問はさらに大きくなった。

キム・グァンヒョン自身も台湾戦以降、取材陣に「復讐の刃を研いでいる。決勝戦は、無条件に勝たなければならない。準備をしっかりして、いいボール投げたい」と、日韓戦に焦点を当ててコンディションを調整していることを示した。

決勝戦前日までキム・グァンヒョンの表情は明るかった。そんな彼が決勝戦当日、突然のように登板できなくなった。キム・グァンヒョンの不発が事前に合意されていたとすれば、キム監督をはじめとする選手たちは、情報漏洩防止のためにわざとその事実を語らなかった可能性が高い。

キム・グァンヒョンがマウンドに上がれないなかで、韓国の投手運用にも支障が生じた。ヤン・ヒョンジョンの乱調で早い段階からマウンドに上がったイ・ヨンハは2.2イニングを無失点でしのいだが、1点勝負のなかで韓国は、抑え投手のチョ・サンウを早く投入せざるを得なかった。

今大会、無失点を続けてきたチョ・サンウは、浅村栄斗にタイムリーヒットを許して手痛い追加点を奪われた。

シーズン終了後の厳しいスケジュールを消化しようと、体力的な疲れを見せていた韓国投手陣にとって、予期せぬキム・グァンヒョンの離脱は大きな代償となった。

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